Googleが先ごろ行われた700MHz無線周波数帯の競争入札に参加した目的は、同周波数帯のライセンスを落札することではなく、入札額を最低競売価格に到達させ、FCCに同社が推進してきたオープンアクセスルールを導入させることだったという。
電気通信およびメディア担当法律顧問のRichard Whitt氏と、企業担当法律顧問のJoseph Faber氏は米国時間4月3日、GoogleのPublic Policy Blogで次のように述べている。「Googleが競売に参加した第1の目的は、いわゆる『Cブロック』への入札額を最低競売価格である46億ドルに到達させ、重要な『オープンアプリケーション』『オープンハンドセット』に関するライセンス条件を導入させることだった」
さらに同ブログには次のように書かれている。「また、われわれは全国規模のCブロックのライセンスを最低競売価格を若干上回る価格で落札する用意があった。実際、競売の初期は、ずっとわれわれが最高入札者だった。しかし、Verizon Wirelessが最終的に(Googleよりも)高い入札額の提示を決めた(また、Cブロックライセンスを入手する金銭的動機も同社の方がはるかに大きかった)のは当時も現在も明らかだ」
CNET News.comは、当初からGoogleの入札の裏にはそのような戦略があるのではないかと推測していたが、今回のブログ上でのコメントはその推測を追認するものだ。しかし、Googleがこの件について認めたのは今回が初めてだ。というのも、連邦通信委員会(FCC)の規則上、Googleは3日まで周波数帯の競争入札への参加についてコメントできなかったからだ。
3月20日には、700MHz周波数帯Cブロックを落札したのはVerizonであることが発表された。
Googleは2007年、FCCに対し、たとえ誰が700MHz周波数帯Cブロックのネットワークを運営することになっても、その運営者に対し、すべてのデバイス、アプリケーションが同ネットワークに接続可能にすることを義務付ける条件を導入するよう求めた。その結果、Verizonは今後、ネットワークを構築、運営し、さらにそのネットワークを他社に開放することが義務付けられる。その中には、Googleや同社のモバイルプラットフォームAndroidが稼働するデバイスも含まれる。
Googleは、仮にFCCが、同社が推進する4つの「開放」ルールのすべてを導入すれば、最低でも46億ドルの入札額を提示すると誓った。また同社は、仮にFCCが4つのルールのうち2つしか導入しなくても上記の金額で入札することを約束したという。Googleは10回の入札ラウンドで、他に入札者がいなかったにも関わらず、入札額を引き上げた。その理由は、入札が「積極的」なものであることを明確にするためだった、と同ブログには書かれている。
「われわれが、より開かれた無線世界の実現に向け努力していることを行動を通じて示していくことが重要であると考えた」(同ブログ)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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