ニコニコ動画が注目される理由の1つに、ユーザー1人あたりの利用時間の長さが挙げられる。ビデオリサーチの調査によると「ニコニコ動画の利用の多さは、(グーグルが運営する動画共有サイト)YouTubeの2〜3倍」という。
例えばユーザー1人あたりの1カ月のサイト平均接触回数はニコニコ動画が10.6回であるのに対してYouTubeは5.7回、平均視聴ページ数は228ページに対して74ページ、平均滞在時間は3時間57分に対して1時間11分(いずれも2007年12月)と、大きな差がある。特に平均滞在時間については、YouTubeのほかUSENが運営する「GyaO」と比較しても、「その差は広がっている」という。
ニコニコ動画はYouTubeに比べてコミュニティ色が濃く、ユーザーは動画を見て楽しむというよりも、コメントをしあうなどして「参加して楽しむ」傾向が強い。これが滞在時間の長さにつながっていると分析した。
ニコニコ動画でユーザーが投稿した動画が、商品化されるケースも増えている。猫が土鍋の中で眠る「ねこ鍋」は多くのテレビ番組などでも紹介され、DVDや書籍として販売されている。また、「歌ってみた」というカテゴリで人気を集めたユーザーが、実際にCDを出す例もある。3月5日に販売されたシングルCD「ランティス組曲 feat.Nico Nico Artists」は、ニコニコ動画で人気の歌い手が集まって曲をリリースしたもので、3月17日付けのオリコン週間チャートでは初登場17位にランクインした。
杉本氏は「ニコニコ動画は単なる動画共有サービスではなく、いろいろな人を輩出するクリエイティブの場になっている」と話す。今後についても「ほかの動画共有サービスが行く方向とはちがう、あさっての方向を目指している。他社が目指しているものは、ユーザーが本当に求めているものなのだろうか。もっと違う楽しさを演出していきたい」として、あくまでも独自性を追求していく考えを示した。
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