MicrosoftとYahooは、両社の合併をめぐり非公式に協議している。これまで両社の間に存在した「沈黙」からの大きな転換だ。今回の協議について知る情報筋が明らかにした。
Microsoftが米国時間2月1日、Yahooに対して1株あたり31ドルで買収を提案した時と比べ、事態はここ2週間で大きく様変わりした。
同情報筋は3月12日、「Yahooはいくらか話し合いに応じる姿勢を見せている」と語った。この情報筋によると、Microsoftは、Yahooから公式に買収提案拒否の通知を受ける可能性は低いとの結論に達したという。
この情報筋は、今回の非公式協議が合意に結び付くかどうかについては不透明だとしている。
Associated Pressは、Microsoft最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏が数週間前、CeBITの場で「買収提案について両社間で何度か話し合っている」と発言したと報じたが、最近の動きは、同氏の発言を裏付けるものだ。
しかし、MicrosoftのYahoo買収に向けた取り組みについて知る別の情報筋は13日、話し合いが実質的なレベルにまで進展していれば、Microsoftは協議の内容を公開したはずだ、と指摘する。
Yahooは先週、買収に反対の立場を取る取締役の選任を目指し、Microsoftを含む投資家による役員選出期限を延長すると発表した。さまざまな選択肢を検討する一方でMicrosoftとの委任状争奪戦を回避するのが狙いだ。
10日には、Yahooに救いの手を差し伸べるのではと見られていたNews Corp.が、MicrosoftとのYahoo争奪戦に加わることに関心は無いとする意向を表明した。そして、11日には、Time Warnerの最高経営責任者(CEO)が、AOLを強化するためあらゆる選択肢について検討すると明言し、AOLとYahooが提携する可能性について、排除しない姿勢を示した。しかし、AOLは13日、ソーシャルネットワーキングサイトのBeboを現金8億5000万ドルで買収。Beboの買収は、必ずしもAOLがYahooに対する興味を失ったことを意味しないが、Beboに続き企業を買収する資金力はTime Warnerにはない。
MicrosoftとYahooいずれの関係者もコメントを拒否している。
Microsoftは、委任状争奪戦、株式公開買い付け、あるいはその両方を駆使していつでも敵対的になることができる。MicrosoftとYahooの観測筋にとって、しばらく目が離せない状況が続きそうだ。
この情報筋によると、Microsoftの内部では、協議を打ち切るタイミングを設定してないという。
同情報筋は次のように語った。「当然Microsoftには協議の進展についていら立ちがある、しかし、これは短距離走ではない、マラソンなのだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」