Microsoftからの一方的な買収提案を断固拒否するというYahooの決意は軟化しているように見える。
Microsoftの最高財務責任者(CFO)であるChris Liddell氏は米国時間3月3早朝、Morgan Stanleyの「Technology Conference」の出席者に対して、Yahooは買収提案に対して正式には回答しておらず、Microsoftは他の買収対象を注意深く探していると述べた。
同日、Yahooの取締役会は表決によって同社の規約を改訂した。これはMicrosoftとの敵対的な委任状争奪戦を遅らせ、別の買収提案者を探すオプションを検討するための時間を稼ぐためである。
委任状争奪戦を回避しようとしたことは、YahooがまだMicrosoftとの関係を緊密かつ友好的なものにしておきたいということを意味する。
「Microsoftの経営陣は、今後数日以内にこれに対してどのように対応するかを選択し、今後の進め方について取締役会に新しい情報を提供することになるだろう」と両社の交渉に詳しい情報筋は述べ、これまでのところMicrosoftの姿勢はあくまで友好的な買収を実施することであると指摘した。
同情報筋は、Yahooは5日の時点ではMicrosoftの買収提案に対して正式には回答しておらず、今週末にかけてMicrosoftがYahoo買収に関して何らかの実質的な進展を得られる可能性は低いと述べた。
Yahooが株主による対立取締役候補の推薦期限を延期したにもかかわらず、Microsoftは必要なときに提出できるように取締役候補の名簿を準備していると情報筋は述べている。
この候補者名簿は有名企業の経験豊富な企業幹部から金融畑の人間にいたるまで幅広い人材から選択されていると情報筋は付け加えた。
そしてYahooが計算されるリスクを承知してMicrosoftと正式な交渉に入ることなく期限を延期したのはYahooにとって「賢明な動き」だと、何度か委任状争奪戦でクライアントを迎えた経験のあるデラウェア州の法律事務所Ashby & Geddesのディレクター、Stephen Jenkins氏は評価する。
「Microsoftは独自の候補者を集める必要があり、候補者をYahoo側に提示するまでに10日間の猶予があるが、これでYahooはMicrosoftの推薦する候補者が公表されるというプレッシャーを受けることなくさらに時間を稼ぐことができる」とJenkins氏は言う。「(これは)Microsoftに対してYahooは非公開の交渉に応じる余地があるというシグナルを送ることになるかもしれない」(Jenkins氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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