実際に撮影してみると、AFや光学式手ぶれ補正の確かさを実感できる。特にハイスピードAFは素早く狙った被写体にフォーカスでき、暗いシーンでもAFを見失うことが少ない。静止画撮影はマルチエリアのAFが可能など、コンパクトデジカメ並の操作感だ。2.7型液晶モニタは解像感が高くフォーカスが確認しやすい。液晶の視野角や明るさも十分で明るい野外でも見やすい。こうした撮影機能の確かさにはカメラメーカーのノウハウが感じられる。
撮影時に意外に気になったのはメモリ書き込みのタイムラグだ。内蔵メモリ記録では、静止画モードで数枚連続してスチル撮影して、すぐにムービー撮影モードに切り替えると、長い時で十数秒待たされる場合があった。黎明期のデジカメを使っているような感覚で、この点はメモリ記録カメラ全般の課題といえるだろう。
電源はインテリジェントリチウムイオンバッテリの採用で残り撮影時間が分単位で表示されるようになった。付属バッテリのもちは連続1時間30分前後(実使用50分前後)とハイビジョンカメラとしては標準的だが、デジカメのように気軽に持ち歩くためには、さらに長い撮影時間が欲しくなる。省電力化も小型化に続くハイビジョンカメラ全般の課題といえるだろう。
ムービーの画質には、狭ピッチのCMOSを感じさせないクリアさが感じられる。夜景や室内撮影でも黒つぶれが少なく破綻のない映像になる点はさすがだ。輪郭にやや強調感はあるものの、FXPモードではフルハイビジョンらしい精細感が感じられる。
クリアでビビッドな色表現も映像エンジン「DIGIC DV II」らしい。定評のあるスチル画質も健在で、鮮やかで解像感の高い画質はコンパクトデジカメとほぼ同レベルといえる。ボケ味にやや癖があるものの、光学12倍ズームを活かしたスチル撮影も楽しい。また、ムービーのワンシーンをハイビジョン解像度でキャプチャすることも可能だ。
最終保存はUSB経由でPCに接続し、付属ソフトPIXELA ImageMixer 3 SE(Windows専用)でAVCHDやDVDフォーマットのオーサリングができる。同社の光ディスクレスカメラは最終保存でPCが必須になる点がネックだったが、本機は3月上旬発売予定のDVDライターDW-100に対応し、PCレスの保存も可能になった。レコーダーやテレビなどとの連携では総合家電メーカーが依然として有利だが、フットワークの良さに加え、カメラらしい機能と画質の良さが本機の魅力といえるだろう。
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