【開発者インタビュー】日本ビクター/HP-FX500--ヘッドホンの常識を覆す“木の振動板”にチャレンジ - (page 4)

堀江大輔(D☆FUNK)2008年02月29日 15時20分
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原音追求を真摯に追い求めてできたハイエンドヘッドホン

--何とも根気のいる仕事ですね。

伊藤 いやいや、楽しい仕事ですよぉ。とくにいい音にむかっているときは(笑)。まあ、うまく前に進まないときもありますけどね。これでなんか打破できるだろうなと思ってトライするんですが、うまくいかないと少ししょげますね。

 50点を60点にするのは簡単なんです。だけど92点を93点にするのは本当に大変。技術のこだわりと時間の勝負なんです。今回は、納得いくとこまで追っかけていき、商品化できました。

 音作りでは不要な振動を徹底的に排除し、大元の音をよくすることにこだわりました。ジャンルに合わせたチューニングをすることもありますが、今回は、原音追求。大本の音をよくすれば、どんなジャンルの音でも響いてくれるという方法論を用いました。このリアルに広がる音は、他のインナーイヤーにはない。最終的には圧倒的な臨場感のある原音を出せたと思っています。

--ウッドユニットを用いたインナーイヤーヘッドホンと作る、という期間段階から商品化まで、どのくらいの期間がかかっているんですか?

澤田 2年以上の歳月を費やしています。でも、製品化を実現する期間としては早かったですよ。もともと自社での木への取り組みがなかったら、とても2年ではできなかった。ウッドコーンの開発があって、その応用としてのヘッドホンなんです。

 今回は技術チームにも時間をつめてもらったので、なんとか2年でできました。大型のヘッドホンにすれば、もっと速く完成したと思いますが、より多くの人に使ってもらうということを考えたら、密閉型のインナーイヤーしかなかった。自分が使っているデジタルプレーヤーで、いい音が聞きたいというお客様の要求は、非常に高いものですが、それになんとか答えられたかなという思いはあります。

--製品版としてできあがってきた時の音を聞かれた感想はいかがでしたか?

柿本雅博氏 日本ビクター株式会社
モバイルAV事業グループ
AVCアクセサリーカテゴリー 
商品企画室 主席
柿本雅博氏

柿本 衝撃でしたね。今まで聴いてきた音楽を全部聴き直したくなりました。ヘッドホンを耳にしてできあがる音場の中に、音として感じられていなかった微細な楽器の音色まで、しっかりと定位して聞こえてきたのです。

 デジタルオーディオプレーヤーというと、プレーヤーのメモリ容量を確保するため、オリジナルの音源を圧縮しており、その結果再生音が今ひとつなのだというイメージが私にはありました。でも、このヘッドホンで聴くことで、実はヘッドホンによるところが大きいんだということを改めて認識させられました。

--伊藤さんは入社以来、十数年ヘッドホンの制作に携われているとのことですが、ここ数年のヘッドホン人気をどう感じられていますか。

伊藤 まさか今のようにヘッドホンに注目が集まる時代がくるとは夢にも思わなかった。十数年地道に築き上げてきたヘッドホン作りのノウハウがようやく、世界初のウッドドームユニットとして結実できたと思います。

--ウッドドームユニットのヘッドホンは純粋な職人気質の思いがこもった世界初のモデル。日本ビクターだからこそ作れた自然の響きが味わえるヘッドホンは、一度は体験すべき音ですね。

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