B・ゲイツ氏:「MSがヤフーを必要とする理由」(前編)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、佐藤卓、高森郁哉2008年02月22日 08時00分

 カリフォルニア州パロアルト発--引退を数カ月後に控えて、Bill Gates氏にはいろいろと言いたいことがあるようだ。

 Microsoftの会長であるGates氏は、2008年7月に現在の職を辞して第一線から退き、以後は慈善活動に専念する予定だ。病気や貧困との闘いに思いをはせるGates氏だが、一方ではGoogleとの闘いにおいて、Microsoftのためにできることは何でもしようと試みている。そうしたGates氏の試みに最近加わったのが、400億ドルを超えるYahoo買収提案を、ウォールストリートの金融関係者だけでなく、同氏が注目しているYahoo関係者にも受け入れさせることだ。

 Gates氏は米国時間2月19日、CNET News.comの取材に応えて、MicrosoftがYahooの才能あるエンジニアをどれほど必要としているか、次期OS「Windows 7」はどうやってキーボードやマウスの役割を(無用というほどではないにせよ)軽減するのか、ジャーナリズムは将来どうなっているのか、といったことについて語った。

--今日の電話会見の中で、MicrosoftはYahooの買収額の増額を検討していないと話していましたね。まずお聞かせ願いたいのは、なぜYahooの買収が重要なのか、それがMicrosoftに何をもたらすのか、ということです。また、事態を収拾するために、Microsoftは委任状争奪戦に持ち込む準備を整えていると思いますか。買収を成功させるために、株主の前でそのような争いをすることが必要なのでしょうか。

Bill Gates:われわれには、現在Googleが支配している検索分野で競うための戦略があります。この戦略は、Yahoo買収提案以前に定め、今後遂行していくものであり、Yahooなしで遂行が可能です。買収には、飛躍をもたらすエンジニアリングが関係しています。Yahooは優れたエンジニアを抱え、これまでに素晴らしい仕事を数多く成し遂げてきたので、Yahooと結びつくことは、刺激的な方法で物事を加速するだろうと、われわれは考えています。つまり、Yahooの仕事とMicrosoftの仕事を組み合わせれば、技術革新やさまざまな作業のスピードが劇的に増すのです。したがって、この買収で真に重要なのは、当社に参加したい、多種多様な顧客のためにより良い検索やより良いポータルを生み出したいと望むYahooの従業員です。こうしたビジョンが背景にあるからこそ、これは最高の組み合わせだと言えるのです。

--つまり、規模の問題ではなく、人材の問題ということでしょうか。

Gates:人材を得れば、優秀なエンジニアの数や、彼らが強力に推進する技術革新のスピードという点で、スケールアップできます。ターゲット広告のためのモバイルやビデオや斬新な技術、基本的な検索アルゴリズム、現在は検索用で将来はクラウドコンピューティング用に発展させるコンピューティングプラットフォームの構築といったことを手がけるなら、必要なコンピュータ科学の量は膨大です。エンジニアリングの規模を大きくすればするだけ、こうした課題をより迅速に遂行できます。

 もちろん、広告主やエンドユーザーの数は大切ですが、われわれは人材とエンジニアリングが鍵となる存在だと考えています。Yahooの優秀な人材とわれわれの優秀な人材を組み合わせたときに、われわれが何を得られるかが重要なのです。

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