Intelはこれまで、次世代無線通信規格「WiMAX」の支援に膨大な時間と資金を投入してきたが、同社には提携企業が撤退するのを目の当たりにする覚悟はまだないようだ。
The Street.comは米国時間2月19日、SprintとClearwireが権利を持つ周波数帯を管理する両社による共同事業に対し、Intelが20億ドルの資金提供の準備をしていると報じた。両社は以前、全米規模のWiMAXネットワークの構築を計画していたが、2007年にSprintの最高経営責任者(CEO)だったGary Forsee氏が解任されたことに伴い、この計画は棚上された。しかし、両社による話し合いは継続され、間もなく何らかの結論に達するものと見られている。
米国は広大なため、全米規模での無線ネットワーク構築は困難な事業だ。WiMAXは基本的にWi-Fiを進めたもので、大都市圏でワイヤレスでのインターネット接続を提供するために設計された。Intelは過去数年間にわたり、この規格について、有線接続に比べはるかに容易にブロードバンド接続を世界に向け普及させることのできる方法であるとして、大々的な宣伝活動を展開してきた。
問題は、第4世代のネットワーク技術としてWiMAXに取り組んでいる米国の大手通信企業がSprintのみであるという点だ。AT&TとVerizonは、携帯電話業界が支持するLong-Term Evolution(LTE)規格を使用して次世代無線データネットワークを構築する計画を表明している。また、両社はSprintに比べはるかに健全な経営状態を維持している。
Intelは、Clearwireに対して既に多大な資金を投入してきた。同社は米国内数都市でWiMAXネットワークを構築している。20億ドルという投資額は、WiMAXをさらに大規模に展開していくためにほぼ十分な種子資本であり、SprintはこれによりWiMAX資産を処理し、同社のワイヤレスサービスの新たな利用客の獲得に注力することが可能となる。
やがてWi-FiとWiMAXの両無線機能を搭載した無線チップを発売するという計画があり、そうなれば、今回伝えられている投資は、Intelの戦略プランにも合致したものになるだろう。恐らく先ごろ同社が行ったBragsterへの投資よりは同社戦略に沿ったものとなるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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