BitTorrentは米国時間10月17日、Alias Systemsの最高経営責任者(CEO)だったDoug Walker氏をCEOに任命したと発表した。
Walker氏の前任者で、共同創立者のBram Cohen氏は、今回BitTorrentのチーフサイエンティストの職に退く。また、Internapの最高技術責任者(CTO)だったEric Klinker氏がBitTorrentの新しいCTOに就任する。
PtoPによるファイル共有システムのプロトコルを利用するBitTorrentは多くの人からインターネット海賊行為ツールの高級ブランドとみなされ、開発者であるCohen氏はコンピュータのパワーユーザーやファイル共有利用者から崇拝されている。しかし、合法的なコンテンツ配信サービスを提供することによってこの技術から利益を得ようとした新規のBitTorrentのCEOとしては、Cohen氏はそれほどめざましい結果は残さなかった。
1年以上前に、BitTorrentはいくつかの大手映画会社から映画を配信する許可を得た。2月には映画、テレビ番組、ゲームを扱うデジタルメディアストアのBitTorrent Entertainment Networkを開設した。しかし、この分野はYouTube、iTunes、Joostといった企業やテレビネットワークのウェブサイトに支配されており、Cohen氏率いるBitTorrentはほとんど話題になっていない。
確かに、長編映画をインターネットで配信する事業はまだ完全に主流にはなっていない。ファイルサイズがまだ大きすぎるし、一般家庭のインターネット接続では遅すぎる。しかし、BitTorrentが最初の映画スタジオと契約を結んでから1年で多くの新しいライバル会社が登場している。ケーブル会社もビデオオンデマンドのサービスを強化している。
Walker氏はCEOに着任するにあたって、有利な点もいくつかある。業界の多くの事情通は、BitTorrentプロトコルはウェブ上で映画を配信するための最も効率的な手段であると考えている。BitTorrentのブランドは高い技術を持つユーザーに支持されており、高速、高品質かつ高額すぎないサービスを提供できれば、ファイル共有利用者がまっとうな道を歩むように説得できるかも知れない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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