Motorolaは数週間前、「自社事業の構造的、戦略的な再編成の方法を模索している」とし、「これには、モバイルデバイス事業部の分離も含まれる」と発表、携帯電話業界の話題となった。同社は「RAZR」で成功したが、その次の手を打つのに失敗し、市場シェアを大きく失った。
だがスペイン・バルセロナで開幕した「World Mobile Congress」で現地時間2月11日、Motorolaの新最高経営責任者(CEO)であるGreg Brown氏はReutersに対し、モバイル端末事業に「全力を投じている」と語った。Brown氏は現在の混乱を招いてしまったことから、「ここは明確にしておきたい」と強調した。
投資家のCarl Icahn氏がモバイルデバイス事業の分離を要求する中、これは一見、Brown氏が携帯電話事業を社内に維持する方法を見出したかのように見える。「Motorolaはモバイル端末事業に全力を投じており、私もモバイル端末に全力を投じている」とBrown氏はReutersに語った。
だが、Reutersがインタビューしたアナリストは、Motorolaはモバイルデバイス事業を売却するためのビジネスに取り組んでいたはずだと述べた。カクテルパーティではほとんどの幹部が、「チャンスがあれば、真っ先にこれを処分したいと思っているんだ。だれか知っている?」と述べるなど、公式にはこれについて触れなかったという。
Motorolaが携帯電話事業を売却することは想像し難いことだ。というのも、苦戦しているもののMotorolaブランドはよく認知されているからだ。携帯電話業界における変動の速度を考慮に入れれば、同社の不振が前CEOのEd Zander氏の退任へ至ったのと同じく、すぐに裏目にでる可能性もある。
しかし、携帯電話事業をスピンオフすることで、スピンオフ企業自体と残存する企業の両方から十分なリターンを投資家らに与えることになるかもしれない。Motorolaが、セットトップボックスのほか多くの企業向けワイヤレス製品を開発していることを知っている消費者はあまり多くないが、投資家らはこうした事業をよく理解している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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