UPDATE バルセロナ発--業界団体GSM Association(GSMA)主催の世界最大規模のモバイル関連の展示会「GSMA Mobile World Congress(MWC) 2008」で現地時間2月11日、GoogleのAndroidソフトウェアを搭載した最初の携帯電話のプロトタイプが披露された。そこで、筆者もあるデモを覗いてみた。
Googleは2007年11月にオープン開発プラットフォームAndroidを発表した。Androidソフトウェアを搭載した携帯電話は、2008年中に発売される予定だ。Googleは同時に、Open Handset Alliance(OHA)の結成も発表した。OHAは、34社の携帯電話メーカー、通信事業者、チップメーカーで構成されるコンソーシアムで、それらの企業はAndroid関連製品やサービスのサポート計画を表明している。
筆者は数人の記者に混じって、ARM Holdingsのブースで行われたAndroidの非公開デモを見学した。CNET News.comは先週、ARMがプロトタイプを発表する予定だと報じた。
ARMの技術は、地球上のほぼすべての携帯電話の中心部分に使用されている。Texas Instruments、サムスン電子、Marvellなどのチップメーカーは、ARMが設計したプロセッサコアを使って、携帯電話やスマートフォン向けのチップを製造している。
ARMは、ARM9プロセッサ技術が搭載されたプロトタイプデバイスを使ってAndroidソフトウェアのデモを行った。ARM9は、すでに2世代前の技術だ。ARMによる携帯電話のモックアップは、例えばResearch in Motion(RIM)のBlackBerryのような、完全なQWERTYキーボードを搭載したスマートフォンに似ていた。しかし、ARMのプラットフォームソリューション担当ディレクターのBob Morris氏によると、このデモ用プロトタイプに使用されているARM9技術は、マスマーケットで販売されている低価格の携帯電話に実際に使用されているもので、実演している機能性は今日販売されている大半の携帯電話でも実行可能だという。
Androidを搭載したプロトタイプの「welcome」画面は、Windows Mobileを搭載したスマートフォンなど、これまで見てきた他のスマートフォンと大して変わらなかった。画面の一番下にブラウザやマップツールを意味する複数のアイコンが表示されており、それらをクリックしてアプリケーションを起動する。
それを見た筆者の最初の感想は、「だから何だ。Androidで他のプラットフォームと違うことができるわけではなさそうだ」
しかし、ARMの北米モバイル部門でマーケティング担当マネジャーを務めるJames Bruce氏は、Androidを搭載することにより携帯電話ユーザーは何が可能になるかは大して重要ではなく、むしろ携帯電話用チップや携帯電話機メーカーが何をしなくて済むかの方が重要だ、と語る。
「Androidは、完全なアプリケーションフレームワークを提供する。このフレームワークは従来に比べはるかに容易にチップセットに搭載可能だ」(Bruce氏)
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