簡単に言えば、Androidを使えば、新しい携帯電話機やアプリケーションの発売プロセスは単純化するだろう。今日、携帯電話市場は極めて細分化している。各メーカーは、それぞれ独自の携帯電話用オペレーティングシステム(OS)を持っている。また、プロプライエタリソフトウェアを使って、異なる複数のモデルが開発されるケースも非常に多い。そのため、携帯電話用部品メーカー、アプリケーション開発者、さらに携帯電話機メーカー自体もソフトウェアごとに機能性を設計しなければならず、新たな製品やサービスの迅速な開発が困難になっている。ショートメッセージサービス(SMS)のような最も基本的な機能でさえ、携帯電話のブランドごとに異なるプログラムが必要になる場合もある。
この点、Androidは、すべての基本機能を備えた共通のOSや開発プラットフォームを提供するため、この問題は軽減されるはずだ。またAndroidは、Linuxのあるバージョンを基礎としており、ソースコードが十分に公開されているため、アプリケーション開発者によるデバイス向けの新たなアプリケーションやサービスの設計が可能だ。
まさに携帯電話にとっては理想的な環境だが、1つだけ問題がある。それはAndroidだけが唯一のモバイルプラットフォームではないという点だ。MicrosoftのWindows MobileもAndroidと全く同じ機能性を提供している。またNokiaとSony Ericssonが利用しているSymbianも同じだ。これらMicrosoftとSymbianの2社で、携帯電話市場のおよそ半分のシェアを占めている。さらに、いくつかのLinuxグループが携帯電話向けのオープンプラットフォームを開発していることから、状況はさらに複雑化している。
LiMo Groupが開発するプラットフォームが今、Linuxコミュニティー内で勢力を拡大しており、近い将来、統一のモバイルLinuxプラットフォームになると言われている。
その点を考慮すると、現在、少なくとも4種類のモバイルデバイス向けOSが存在することになる。携帯電話に非常に多くの種類のOSが搭載されている今日の状況からすれば大きな前進だが、4種類でもまだ多すぎる気がする。
Bruce氏も、たしかにその通りかもしれないと認めたが、市場がいくつのOSを許容できるかは最終的には市場自体が決めることだと語った。同氏は、現在のモバイル市場は、いくつかのOSをサポートできるだけの十分な規模があると考えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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