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2008年米大統領選--各候補のテクノロジ政策を比較 - (page 2)

文:Declan McCullagh(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、藤原聡美、中村智恵子、佐藤卓、長谷睦2008年02月08日 12時27分
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 だが、それぞれの見解は、無回答があるにせよ、個々の問題を超えて、それぞれの候補者の政治哲学を反映しているように見える。たとえば、Obama氏は、Clinton氏よりもリベラルなようだ。Obama氏が「Real ID Act」(2013年までに米国の全国民にデジタルIDカードを交付するという法案)に断固反対したのに比べ、Clinton氏は再検討すべきとするあいまいな態度だった。ただし、2人ともすっかり忘れていることがある。Paul氏と異なり、Clinton氏とObama氏は「対テロ世界戦争」に関する広範な支出法案の一環として、2005年にはReal ID Actに賛成票を投じていたのだ。ただし、両氏はその後考えを変え、この法律を批判する側に回っている。

 共和党候補では、Paul氏ははっきりとリバタリアン(経済や社会に対する政府の介入を最小限に抑える考え方)的な傾向を示している。同氏は、たとえ子供たちを守るという建前があるとしても、政府がインターネットに対する課税や規制にかかわることを望んでいない。また、McCain氏は、Real ID Act、および通信事業者によるプライバシー違反行為を過去にさかのぼって免責とする措置など、法的規制を強化する施策については、おしなべて支持を表明している。

 Romney氏の場合、インターネットに対する基本的な政治的姿勢は、「インターネットポルノという現代の害悪と戦う」という公約に現れているように見える。一方、Huckabee氏はネット課税の導入に一定の理解を示しているようだ(この指摘に対する同氏の反論はこちら)。同氏はまた、ネット中立性関連法案についても、あいまいな回答ながら、「公平性」の観点から支持しているようで、以前には令状なしの電話盗聴を批判したこともある。

 表に記載した候補者への質問の原文は、以下の通り。

質問1:連邦議会はネット中立性関連法案を審議してきましたが、いまだ制定には至っていません。あなたは、ブロードバンドプロバイダーによる「差別的な」措置を罰する権限をFCCに与えるとする、2007年に再提出された同修正法案(S. 215)を支持しますか?

質問2:AT&Tなどの通信事業者は、政府機関のテロリスト監視プログラムに自社のネットワークを開放しているとして、プライバシー関連の連邦法違反で訴えられています。あなたは、2007年秋に上院情報委員会が提出した外国諜報活動偵察法(FISA)の修正案(S. 2248)にあるように、通信事業者が諜報機関や法執行機関に違法に協力した件について、過去にさかのぼって免責を認めることに賛成ですか?

質問3:1998年のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)では、コピー防止対策の「回避」を禁止する条項が多くの著作権保有者から支持される一方で、技術革新を阻害するものだとして一部の科学技術者から批判の声が上がっています。正規に購入したDVD、Blu-rayディスク、HD DVD、またはビデオゲームのディスクについて、1回に限りバックアップコピーを取ることを認めるようDMCAを改正することに賛成しますか?

質問4:米国土安全保障省は、Real ID Actの規制を強化して、連邦政府関連施設や空港で認められる身分証明書類の種類を制限するよう提案しています。あなたは、この規制強化を提案どおり支持しますか、それともReal ID Actを廃止したいと考えていますか。あるいは、折衷案的なものが望ましいとお考えですか?

質問5:Bush政権は、ISPをはじめ、おそらくは検索エンジンやソーシャルネットワーキングサイト(SNS)に対しても、ユーザーの身元と行動を記録し、そのデータを保持することを義務づける法案を支持しています。あなたは、データ保持を義務化するHR 837などの連邦法案を支持しますか?

質問5:ネット接続への課税の恒久的猶予を認める連邦法の制定を支持しますか?

質問6:H-1Bビザ(特殊技能者用の短期就労ビザ)の発給制限緩和を認める連邦法の制定を支持しますか?

 たしかに、各候補に尋ねた質問の内容は限定的だった。われわれは、著作権で保護されたコンテンツを見つけたときのISPの対応、あるいは中国での事業展開に関する諸問題など、質問できたはずの項目を設けなかった(これらの問題は、今から考えれば質問すべきだったかもしれない)。だが、そのような限界にもかかわらず、2008 Voters' Guideやこの記事に掲載した一覧表が、大統領予備選に参加する予定の読者にとって参考になればと願っている。ただしこれは、読者のみなさんが投票する気があると仮定しての話だが。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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