デジタル家電やゲームに関する口コミ情報サイト「みんぽす」を運営するWillViiは、3月よりEC仲介サイト「プラボ」を開始することを明らかにした。
プラボは、買い手が「×月×日までに、○○円で買いたい」と指定して注文予約できるのが特徴だ。例えば、すぐでなくてもいいから、○○円で欲しい。1カ月なら待てる、など自分の値ごろ感で注文できる。指定した価格が、どの程度の確率で買えるのかがわかる「約定確率」もウェブ上に表示される。同じ価格で購入予約をしている人がいる場合、先に買い注文を入れた人が優先だ。取引が成立した場合は一定期間内に製品が届き、クレジットカードで引き落とされる。配送料金は一律となる予定。
売り手側は、WillViiが提供する発注画面から、売り注文数や買い注文数、価格帯などを見ながら値付けができる。購入する見込み客ではなく、購入を約束する実顧客のため、いくらならば何台売れるのか正確に把握できる。従来仕入れ担当者の経験やカンに頼っていた部分を数値で判断できるメリットがある。取引が成立した場合のみ、クレジットカード手数料込みで6%の手数料がかかる。
WillVii代表取締役社長の塚崎秀雄氏は、「おそらく価格比較サイトの激安ショップよりは高くなる」と予測する。
プラボのもうひとつの特徴は、買い手側のリスク軽減に注力しているところだ。
価格比較サイトに参入するショップの中には、安い価格を提示する代わりに在庫を持たない、先払いをさせる、トラブル対応の対応が遅いなど、問題があるショップも少なくないという。そこで同社では、事前に事業者の在庫をWillViiが確認。同社のシステムにより、業者のメール対応が遅い場合に、WillViiが業者に注意を促すなど、だれもが安心して購入できるECショップとして、取引の信頼向上に力を入れる方針だ。
塚崎氏は、「すぐ発送できる在庫があるショップで買うほうが、購入者のリスクは少ないだろう。取引の品質を上げ、これまでネットでの買い物に躊躇していた人も安心して購入できる場を提供したい」と説明する。なお、プラボでは、量販店のようなポイント制度の導入はない。ポイント分は売値に反映して購入価格そのものにバリューをもたせ、量販店よりも安い価格で、信頼できるECサイトを特徴としたい考えだ。
プラボ内の商品ページからは、口コミ情報サイトみんぽすに投稿された各製品レビューも見られる。ソーシャルブックマークで集めた口コミや各メディアのレビュー情報を一覧できるため、買い手は検索する手間が省ける。
「従来の口コミ情報は掲示板など限定されていたが、ブログが登場したことで分散している。それらの情報をつなぐ“ハブ”が大事になってきている。その役目をするのがみんぽす。一方で、リアルの店舗はすぐに買えるかもしれないが、店員に聞かなければ製品の説明はない」と塚崎氏は話す。プラボにみんぽすの情報を集約し、相乗効果で利便性を高めながら売り上げは初月2億円を目指す。
まずは薄型テレビやレコーダーなど、人気があり単価の高いものを中心に、100〜200製品程度から開始する。当初は5社程度の事業者が参入予定としている。
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