[レビュー]“N”シリーズ初のワンセグ搭載ケータイ--NTTドコモ「N905i」 - (page 4)

こだわりのカメラ機能

　NECは特にデジカメのブランドを持っていないし、N905iも特にデジカメケータイ、と言う打ち出し方はしていない。しかしN905iのカメラ機能にはなかなか肝入りなスペックを搭載している。

　まず、FOMAで最も画素数の多い5.2メガピクセルのCMOSカメラを搭載し、静止画で1944×2592ピクセルの記録に対応している。またインカメラは、これまで10万画素程度だったカメラを30万画素まで引き上げたCMOSセンサーを搭載すると、きれいな画質で自分撮りをすることもできるようになった点はうれしい。ちなみに動画撮影は、高画質、高圧縮を実現するH.264形式、640×480ピクセル30fpsのクオリティで記録できるようになっている。

　このカメラは画素数だけがすごいわけではない。搭載されているオートフォーカスは顔面検出が可能で、最大3人までの顔を検出し、最適な露出やピント合わせに対応している。人の顔をとらえるとその部分が四角い枠で囲われ、顔面が認識されていることを表す。これは最近のコンパクトデジカメでもトレンドになってきた機能であり、ケータイカメラをブログやちょっとした撮影で使いこなす用途を良くチェックしている証拠であろう。

　またケータイは他のデジタルカメラに比べても手ブレを起こしやすいカメラである。そこにも着眼して、N905iは対策を行っている。まずカメラは6軸手ブレ補正機能を搭載している。静止画では上下左右と前後のカメラのブレを補正し、動画でも上下左右の4軸手ブレ補正を実現してくれるのはありがたい。また動かない背景と動いてしまう被写体を別々に処理する被写体ブレにも対応した。

　カメラへのこだわりは写真を撮った後にまで続く。

　N905iには、「ライフヒストリービューア」というアプリケーションが内蔵されている。これは、撮影した写真や読んだメールなど、ケータイに入ってきた情報、ケータイで閲覧した情報を時系列に並べて振り返ることができる機能である。これをフォトビューアとして使えば、撮影した写真を時系列に、グラフィカルに振り返ることができ、ケータイでの写真の楽しみをさらに広げてくれる。

905iで最もリッチな1台

　デザイン、搭載しているi-modeブラウザ、そしてNEC初のワンセグ対応、こだわりのカメラ機能。スペックを見ても905iのスタンダードを軽く超えて、とてもリッチな対応を見せてくれるN905i。特にカメラ回りは、デジカメケータイをうたう機種にも迫る充実ぶりには、力の入り方が伝わってくる。

　しかしN905iは「あくまでケータイ」という姿勢を一切崩さずに開発されている一貫性が見られる事も確かだ。

　ワンセグを見ているときにメールを受信したとしてら、すぐに返信をできるように切り替えてくれる。また高画質のカメラを撮影した時に、どのように写真を振り返ったらよいか、と言う方法をキチンと提案してくれている。

　インターフェースなどはPC譲りの使い勝手を惜しみなく取り入れて、ケータイとしてのインターフェースを進化させている点もとても好感が持てるし、とにかく便利なのだ。

　より最新のケータイに触れたい人、PCは得意だけれどケータイは苦手という人はもちろんのこと、すべての人にケータイの「リッチさ」を感じさせてくれる1台に仕上がっているのが、N905iである。