IntelとST Microelectronicsは、相変化メモリのメモリセル1つに複数ビットを記録する方法を開発した。これにより相変化メモリの密度倍増に大きく近づいた。
今後の問題は製品化できるかどうだ。
相変化メモリはCDやDVDで使われているのと類似した素材を利用するメモリだ。相変化メモリでは、極小のレーザーなどでビットという小さな部分を急速に加熱することで、結晶状態からアモルファス状態へとビットの構造が変化する。このプロセスを逆にすると、アモルファス状態から結晶状態へとビットが変化する。
ビームがビットに反射し、その状態(結晶状態かアモルファス状態か)で、1または0として判断される。これによりデータブロックを構築する。
今回両社が開発したのは、この2つの状態に加えてさらに2つの中間状態を作り、これにビットを割り当てる方法だ。たとえて言えば、水蒸気と固い氷だけでなく、水とシャーベット状の氷も区別できるようになったわけだ。両社は国際固体素子回路会議(ISSCC)で、セル1つ毎に複数ビットを記録できる256Mビット相変化メモリチップに関する論文を発表する。
両社は、新型メモリの開発を目的として合弁会社Numonyxの設立を進めている。相変化技術の開発に当初から取り組みIntelとSTに技術をライセンスしているOvonyxという企業があるが、これを思わせる名前である。
Numonyxの設立は2007年の発表が期待されていたが何も発表されず、長年フラッシュメモリの後継として相変化メモリを盛り上げてきたIntelはいまだにチップをリリースできていない(Gordon Moore氏が同様の話をしたのは1970年のことだ)。Philipsやサムスン電子などそのほかの企業も同様で、プロトタイプや計画はあっても製品はいまだにない。
それでも、いつの日か製品化はされるのだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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