UPDATE Intelは米国時間2月5日、モバイルプロセッサ「Silverthorne」のこれまで公表されていなかった詳細の一部を明らかにし、このチップの消費電力を数ワット未満に抑えることを可能にした技術について説明した。
IntelのGianfranco Gerosa氏は、サンフランシスコで開催されている国際固体素子回路会議(ISSCC)で、第1四半期後半に予定されている次世代モバイルインターネット機器向けの低消費電力モバイルプロセッサであるSilverthorneに関する同社の資料を公表した。Silverthorneについては、すでにIntelの最高技術責任者(CTO)であるJustin Rattner氏から先週、若干の説明があったが、高度に専門的な内容が、会場を埋め尽くした聴衆(筆者よりもはるかに優秀な頭脳の持ち主)の前に披露された。
しかし、Silverthorneのしくみのさわりの部分については、経営学の学位のために学費を無駄にした筆者のような人間にも理解できた。このチップは小型でダイサイズがわずかに24.2平方ミリメートル(3.1mm×7.8mm)である。一方、PC向けの最新のチップである「Penryn」のデュアルコア版のダイサイズは107平方ミリメートルだ。つまり、デュアルコア版のPenrynと比べて1枚のシリコンウエハから約4倍のSilverthorneチップが作れることになる。それではIntelがどの程度まで技術的な内容を明かすことにしたのかを見てみよう。
このチップの動作周波数は最高で2.5GHzに到達する予定だが、Intelは2ワットの熱設計電力で2GHzという数字を提示している。熱設計電力とは、システムの設計者がコンピュータを組み立てるときに考慮するべき最大の消費電力のことである。Silverthorneは16ステージのパイプラインを使用している。一方、「Core 2 Duo」チップのパイプラインは14ステージだ。
パイプラインの1つのステージを組み立てラインの1つの部分と考えてみよう。処理のステージ数が多いほど、同じ時間で何かを作る場合にはラインのステージ数が少なくなるにつれ、高速に動作する必要がある。Intelの「Pentium 4」プロセッサではステージ数が31に達していた。同社はPentium 4の動作周波数を3GHz以上にまで高めて、世間のPC購入者が理解できる数値は動作周波数だけだというマーケティング部門の主張を満足させた。
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