図3は、ミクシィのFind Job!を見た被験者の視線です。視線が全体にバランスよく散らばっているのが分かります。検索結果ページにおける画像が占める割合はリクナビNEXTとほぼ同じですが、大きさの違う画像を数枚バランスよく配置することで、ユーザーの視線を留めることに成功しています。画像を見たユーザーが条件を読み、さらに詳細を読むという行動が見られました。
さらに、求人情報内の画像に焦点を絞って分析を行いました。求人情報に使用される画像は、企業のイメージを表しているイラスト、人物写真など企業によって様々ですが、どの写真が一番被験者の視線を集めていたでしょうか?
答えは、「実際の社員とその社内が写っている写真」です。特に女性が写っているものは注目を集めるようです。男性はもちろん、女性の被験者であってもよく見ていて、アイトラッキング終了後のインタビューでも「どんな女性が働いているのか気になった」と答えています。たしかにそこに勤めることになればその女性が同僚となりますので、気になる情報と言えるでしょう。
一方、男性の写真は女性写真ほどの効果は確認できませんでした。男性にしてみれば写真の男性が同僚や上司になるわけですが、女性ほどは気にならないようです。
10人の被験者に共通する結果として、ユーザーが最も注視する情報は職種と給与の2点であることが判明しました。これは私達の予想通りであり、転職活動をしたことのある方には「確かに」と頷ける結果ではないでしょうか。一方、見られているだろうと予想していた会社名と企業メッセージには、それほど視線が注がれていないという意外な結果も出ています。
転職情報サイトにおけるユーザー視線分析をまとめると、
という傾向が見えてきました。
ユーザーは職種、給与、画像の3つのポイントから自分が求めている求人情報なのかどうかを一瞬に判断し、そのどれかが心に引っかかれば視線をそこに留めて詳細な業務内容などの求人情報を見ます。
ただし、この3ポイントを一箇所にまとめておくと、スッと読まれて、そのまま素通りされる率が高くなりますので、適度に分散して配置し、視線を素通りさせない工夫も有効と考えます。
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