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ユーザーインターフェースこそが新たな差別化の鍵--ヤッパが挑む家電市場 - (page 2)

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――ヤッパというと、プラグインなしに3D画像を表示するWeb3D技術のイメージが強いですが、売り上げも携帯電話や家電向けの事業が増えているのでしょうか。

 手に取れるものを3Dで表示してぐるぐると回す、といったようなWeb3Dの事業だけでなく、いろいろな情報を立体的に見せるというインターフェース事業を2006年の秋ごろから始めています。結局、3Dとは情報を使いやすくするためのインターフェースに過ぎない、という考えから始まりました。

 Web3Dの事業は現在、全体の4分の1ぐらいになっています。実はいま、Web3Dの事業は積極的に営業をかけてはいないんです。残りの4分の3は、何らかのユーザーインターフェースに関する事業です。例えば、株価の3Dチャートや、経営データ管理ソフトのインターフェースなどをつくっています。日興コーディアル證券の「イージー3D証券ビューワー」などの事例があります。また、流通業界向けに、POSデータの管理画面などを開発しています。

 ここには大きな市場があると見ています。たとえば、流通業界だけでなく、全国展開している企業の経営者などは、リアルタイムで経営状況を把握したいのに、経営会議に出てくるデータは3カ月ぐらい前のもので、直近の経営状況はわからないことが多い。業態に応じて何種類かのワークフローを組み込んだアプリケーションがあれば、経営状況を手軽に把握することができます。いまは個別対応で開発していますが、事例が集まればUIエンジンとして製品化できると考えています。

 こういった経営データの3D化という市場は、まだ確立していない新しいジャンルなんです。将来的にはデータベースを開発している企業と組んで、データベースソフトの中にUIエンジンを組み込めたら面白いと思っています。

――この事業にかける伊藤社長のモチベーションはどんなところにあるのでしょうか。

 私は17歳で起業したのですが、もし起業せずに大学に通っていたとすれば、デザインの勉強をしたかったんです。いまでも、落ち着いたら海外のデザインの学校に行きたいと考えているくらいです。ただ、それと同じぐらい技術やコンピュータにも興味があるんです。

 ですので、デザインと技術が融合できていない製品をみると、なぜそれができていないのかと思うんです。もっと使いやすくてかっこよくすべきじゃないかと。その辺りに仕事へのモチベーションがありますね。

――ヤッパというと、イスラエルの企業を買収したり、フランスのデザイン会社と提携したりと、グローバルに活動されている印象が強いです。今後の製品の海外進出についてはどう考えていますか。

 UIはニッチなマーケットなので、海外に出て行かないと成功できません。1つの市場では規模に限界がある。海外に進出する動機はいっぱいありますね。

――将来的な目標は。

 デザインと技術の融合ですね。それをうまく実現できている企業はあまりないんです。任天堂やAppleは自社でデザインと技術の両方をやって成功していますが、我々は第三者のためのサービスに特化していくつもりです。

 今後は、ハードウェアのスペシャリストやインダストリアルデザイナーも社内に持ち、ソフトとハードを融合したデザインコンサルティングができればと思います。自動車業界でいうとピニンファリーナやジョルジェット・ジウジアーロのような存在です。

 デザインにはやはりセンスが必要になってきます。そして、センスのある人間ってそんなにいないんですよ。大企業メーカーにとっても、そこに無理やりお金をかけるより我々と組んだ方が早いはずです。

 また、近い将来、携帯電話の概念も変わっていくと思います。Amazonが携帯電話の通信機能を使った電子書籍「Kindle」を発売したように、携帯電話のインフラは開放されつつあります。米大手通信会社のVerizon Wirelessも、自社が持っている携帯電話ネットワークに対応した端末やアプリケーションを第三者が自由に開発、販売できるようにすると発表しました。そうなると、デジタルカメラや冷蔵庫などと携帯電話がつながる可能性があります。1〜2年でこの業界はおもしろくなるはずなので、ちょっと楽しみですね。我々も、何らかの形でそういった動きに関わりながら、いいポジションを確保したいと思います。

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