ユーザーインターフェースこそが新たな差別化の鍵--ヤッパが挑む家電市場

 ウェブ向けの3次元(3D)描画エンジン技術で知られるヤッパが携帯電話向けの3Dエンジンを持つアクロディアと提携した。3Dエンジンという同じ市場で戦う両社の提携はなぜ起きたのか。代表取締役社長の伊藤正裕氏に話を聞いた。

――提携の経緯を教えてください。

 iPhoneやiPod touchを見てもわかるように、ユーザーが製品の性能を感じる際に、ユーザーインターフェース(UI)が果たす役割というのは非常に大きくなっています。日本の携帯電話は技術的に優れていても、ユーザーがそういった感覚を持ってくれない。その一方で、通信キャリアやメーカーにはグラフィックの専門家は少なく、しかも何年もかけて製品を開発できないので、凝ったことができません。

 そこでメーカーはいろいろなアプリケーションを企業から買ってくるのですが、そうなると今度は統一感のあるインターフェースができない。そこを支えるプラットフォームとして役割を果たしているのがアクロディアのVIVID UIです。

 実は、携帯電話キャリアや端末メーカーに当社のUIエンジンを提案しに行ったのですが、アクロディアのVIVID UIをすでに使っているという企業がほとんどだったんです。当社の技術は非常に高く評価していただくのですが、現実的なところで導入が難しかった。それで、存じ上げていたアクロディアの堤純也社長に2007年の夏にお会いして、提携話を提案したんです。

 VIVID UIと当社のUIエンジンは補完関係にあります。VIVID UIはさまざまな3Dグラフィックスなどを統合的に扱える制御系ミドルウェアで、当社のUIエンジンはグラフィックスにさまざまな効果を付けることが可能です。開発者からすると、コードを2〜3行追加するだけで、より優れたデザインのものが作れるようになります。

 現在の携帯電話は、一昔前のパソコンと同程度の性能を持っています。ただ、プログラム面ではまだ無駄な部分も少なくありません。この点、我々のプログラムは非常に軽くできています。また、計算による処理なのでグラフィックアクセラレータが不要です。このため、電池の持ちも全く違いますね。

――携帯電話以外にも利用可能な技術なのでしょうか。

 我々はデジタルカメラやテレビのUIにも進出しています。こういった家電は、これ以上多機能化しても売れない時代が到来しつつあります。今後消費者の心をつかむためには、デザインが重要になってきます。筐体のデザインも大切ですが、家電の場合、ユーザーは操作画面と向き合わなければならない。これこそ我々の3Dデザイン技術が活かせる場ではないかと考えています。ただし、この分野は、技術とデザインの両方を分かっていないとできないものです。

 こういったことをフランスのデザイナーLaurent Vincenti(ローラン・バンサンティ)氏と当社のデザインチームが一緒になって作っています。

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