調査会社のStifel Nicolausが米国時間1月31日に発表した調査ノートによると、ヨーロッパの規制当局はGoogleによるオンライン広告会社DoubleClickの買収に関して、脅威を査定するリポートが配布されているにもかかわらず2月には買収を承認すると見られるという。
Googleは2007年末に米国の規制当局からは承認を得ているが、現在はまだ欧州連合(EU)からの承認を待っている段階だ。
欧州委員会の競争総局のスタッフは、買収が競争に与える可能性のある脅威を査定する異議声明(Statement of Objection)の草稿を準備した。「合併を検討する欧州委員会のプロセスにおいて必要なステップだが、これで十分というわけではない」とアナリストの調査ノートは指摘している。
Stifel Nicolausによると、欧州委員会委員のNeelie Kroes氏は異議声明をGoogleに提出するべきか、合併を承認するべきかまだ決めていないようだ。
Kroes氏は合併に対しては厳しいという評判だが、欧州委員会はめったに合併提案を拒否することはないと調査ノートは指摘している。EUの統計では、過去10年間に詳細審査(通称「Phase II」審査)を受けた128件の合併のうち、阻止されたのは12件に過ぎず、63件は条件付きで承認されている。
「われわれは引き続き欧州委員会が合併を阻止しない可能性が高いと信じている」とアナリストの調査ノートは結論づけている。「むしろ、Googleにとってビジネスが困難になるような条件が課される危険性があるのではないかと見ている」(同ノート)
欧州委員会の広報担当者はこのアナリストの調査ノートに対して次のような声明を発表した。「われわれは合併調査の進行状況について決してコメントすることはない。わたしが認めることができるのは、取引を承認するか拒否するかの欧州委員会による決定が遅くとも4月2日までになされるということだけである」
Googleの欧州の広報担当者は、欧州委員会が取引を承認してくれることを望んでいると述べている。
「調査はまだ継続中だが、当社としては今回の合併がなんら競争上の懸念を引き起こすとは思っていない」とGoogleの声明は述べている。「GoogleとDoubleClickは競合企業ではなく、市場における企業間の現在の競争は過酷である。パブリッシャー(サイト運営会社)や広告主はオンラインサービスのプロバイダーを簡単に乗り換えることができる」(Google)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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