オープンソースソフトウェアの相互運用性を対象に活動するコンソーシアムOpen Solutions Alliance(OSA)が欧州支部を設立する。これは、欧州でコミュニティー開発型ソフトウェアプロジェクトが急増しているためである。
OSAの設立メンバーでありデータ統合の専門企業Talendの最高経営責任者(CEO)でもあるBertrand Diard氏は「より多くのオープンソースプロジェクトが世界の他のどの地域よりも欧州を由来としている」と話す。設立1年のOSAの活動は、これまで米国内が中心だった。
欧州支部は今後90日以内に正式発足し、欧州の利用者が求める相互運用性に関する活動を探る。
OSAのプレジデントであり、オープンソースに関するサービス事業を展開する企業SpikeSourceの製品管理担当シニアディレクターであるDominic Sartorio氏は、「OSAを設立した際、われわれのミッションはグローバルなものと認識していたが、実質的な活動はこれまで米国内に限られていた。2カ月前、欧州向けに同様の組織を作ろうとしていた欧州の企業グループから問い合わせがあり、OSAとしてはグローバルな成果を上げようとしていたものの成果の上がっていない地域があることに気づかされた」と述べた。
Sartorio氏は2008年をオープンソースの転換点と見ており、オープンソースツール間の相互運用性に対する需要を明らかにするため2007年後半に実施された利用者調査への回答で、OSAは「Microsoftを超える」と宣言した。
「これまでも類似の目的を持ったグループと接触したことはある。たとえば英国のOpenForumなどだが、彼らは純粋な普及を目指す傾向がある。OSAに関心があるのは、ビジネスアプリケーションとその相互運用性だ」(Sartorio氏)
同氏によると、小規模で専業性の高いことの多いオープンソース企業には相互運用性が必要だという。より大きな企業に買収されれば統合が容易になるかもしれないが、すべてのオープンソース企業にそうした可能性があるわけではない。
欧州ではオープンソースが急速に伸びている。パリに拠点を置く市場調査会社Pierre Audoin Conseilによると、フランスにおける2007年のオープンソースに関するサービスと製品への支出は66%増の10億7000万と大幅な伸びを示した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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