SpringSource(旧Interface21)は、オープンソース企業Covalent Technologiesを買収することで、事業に弾みをつけようとしている。
SpringSourceは米国時間1月29日にCovalentの買収を発表した。SpringSourceは、人気オープンソースツール「Spring Framework」を開発している。このツールは、エンタープライズサーバ用Javaアプリケーション開発の迅速化を目的としている。
Covalentは、オープンソース団体Apache Software Foundation(ASF)のオープンソースプロジェクト、例えばApache Tomcat Application ServerやApache Geronimo Application Serverなどをターゲットにした製品やサービスを開発している。SpringSourceはCovalentの買収により、これらの製品やサービスをさらに推進しようと考えている。SpringSourceとCovalentはともに、サポートサービスの販売で利益を得ている。
買収の金銭的条件は明らかにされていない。しかし、SpringSourceがこの買収のために2007年5月に獲得した1000万ドルのベンチャー資金を使い切る可能性は低い。
SpringSourceの最高経営責任者(CEO)であるRod Johnson氏は自身のブログで、この合併の利点を次のように総括した。「CovalentはApacheに関するリーダーシップをもたらすだけでなく、合併後の企業は、Apache TomcatやHTTPに関しても大きくリードしている。2週間前、SunはLAMPの『M』の獲得に10億ドルを支払った。しかし、Covalentが持つApacheに関する優れた専門知識やサービスを手に入れた今、われわれは『A』に関する強力なリーダーだ」
Johnson氏が述べた「M」とは、Sun Microsystemが10億ドルで買収するオープンソースデータベース企業MySQLを意味し、また「A」は無論、Apacheを意味する。どちらもLAMPと総称される人気オープンソース開発製品の1つだ。LAMPは、OSのLinux、ウェブサーバのApache、データベースのMySQL、開発言語のPHPの頭文字だ。これらは、エンタープライズ企業やインターネット上で利用されている。
SpringSourceがCovalentを買収する目的は、合併後の会社がワンストップショップとなり、Apache Software FoundationのプロジェクトやSpringSourceのSpring製品群を使ってエンタープライズアプリケーションの開発、テスト、展開、実行を迅速に行うためのオープンソース製品やサービスを提供することにある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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