PCに比べた場合の携帯電話の大きな特徴の1つは、端末によってその仕様が大きく異なることだ。キャリアによってブラウザやアプリが異なるのはもちろんのこと、同じキャリアでも機種によって表示できるデータ量や画像の大きさ、種類などが違う。それぞれに応じたサイトを作る必要があることを考えると、モバイルサービス運営者にとって、対象とする携帯電話端末をどこまで広げるかというのは大きな問題になる。
その判断をするときに大きな助けとなるのが、携帯電話機種のシェアだ。そこでこの連載では毎月1回、どういった端末がどの程度利用されているのかを、モバイルインターネットアクセス実勢データをもとに紹介していく。
データはビートレンドの携帯電話向けASPサービス群「BeMss」を利用している約600社のモバイルサイトのアクセス実績を利用する。BeMssを利用している企業の業種は金融から小売まで多岐にわたるため、より実勢に近いデータが出せる。
今回は、12月1日から31日までのアクセス実績を分析した。
まずは各キャリアのアクセスシェアを見ていこう。
au、SoftBankが伸びている。特にSoftBankは9%を超え、ついにシェア1割まであと1ポイントを切った。企業の年末商戦が本格化する12月は全体のアクセス数が平常よりも多く、その中で1割に近づいているというのは興味深い。
次にキャリア別に端末ごとの結果を見てみよう。2008年秋冬モデルが早くもランキングに入った。先行したのはDoCoMoとSoftbankだ。DoCoMoは2007年夏モデルでも新端末がいち早くランキング上位に上がってきていた。
2007年秋冬モデルでいち早くランキングに表れたのはP905i(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製)だ。現在23位(シェア1.5%)にランクしている。DoCoMoは上位5位内に春夏モデルが2つランクインしており、新しいモデルがランキングに現れるのが早い。一方で、全体のシェアが大きいこともあり、古いモデル端末のシェアも少なくない。幅広い機種が利用されているということがうかがえる。
auでは、前回6位のW53T(シェア4.1%)が4位に順位を上げ、シェアを伸ばしている。特定の機種や端末メーカーに偏りが少ないのがauの特徴ではあるが、ランキングの10位以内にはW41CA(シェア5.3%)、W51CA(シェア3.6%)、W52CA(シェア3.3%)、W53CA(シェア3.2%)とカシオ端末が4機種入っており、人気の高さがうかがえる。
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