One Laptop per Child(OLPC)の中心メンバーであるNicholas Negroponte氏は米国時間1月9日、IDG News Serviceの取材に対し、OLPCプロジェクトは、現在のOSであるLinuxとWindowsのどちらも起動できる「XO」ラップトップの開発にMicrosoftと共同で取り組んでいくと語った。両者は、完全な仮想化ではないものの実行するアプリケーションに応じてどちらかのOSも起動できる、Appleの「Boot Camp」のようなものを目指すものと思われる。
これにより、XOラップトップを拒否し、LinuxとWindowsのいずれかを起動できるもののデュアルブート方式ではないIntelの「Classmate」を支持するいくつかの国が掲げる根拠を、OLPCは覆せるかもしれない。XOのデザインは、確かに他の多くの製品と比べ斬新だが、サポート面はそうとは言えない。XOユーザーは基本的に製品のサポートを自分自身で行わなくてならず、一部の国はサポート負担を伴う確立されていない技術を取り入れた製品の採用には消極的だ。
MicrosoftとOLPCは、XOでのWindowsの実行について過去数カ月間にわたり話し合いを続けてきたが、現段階ではどうやらLinux搭載モデルとWindows搭載モデルの2つのXOの開発に行き着くことになりそうだ。デュアルブートXOは、追加の処理能力、ストレージ、メモリなど、これまでとは全く異なる点に配慮する必要があるためだ。
今回の報道は、Classmate PCをめぐりOLPCとIntelが決裂してから1週間を経ずに発表された。OLPCは、AMD製のCPUを搭載するOLPC製品と同じ市場でIntelが製品を販売することに難色を示している。
Microsoftも過去には、「Windows Starter Edition」またはコンピュータの機能を携帯電話に搭載して途上国で展開するという全く異なるコンセプトに取り組むことを志向し、OLPCとの提携を検討していない時期があった。Bill Gates氏は今週、CESの場で「OLPCは成功を収めているとは言えない状況だ、われわれはStarter Editionを含む特別なバージョンのWindowsを文字通り100カ国以上で展開している」と述べた。
これが始めから成功の見込みの無い提携であるかどうかは分からない。しかし、XOにWindowsが必要であることをNegroponte氏が認識した点は評価に値する。世界の市場はWindowsが圧倒的なシェアを握っており、途上国は現在出回っているWindowsの豊富なアプリケーションを利用したがっていないないなどとうそぶくのは、こうした国々のニーズに真に応えることにはならない。
さらに、どちらか一方の使用をユーザーに強いることなく両方のOSをサポートするデュアルブートという解決策は洗練された方法であると言える。デュアルブートXOでは、要求されるハードウェアのスペックが上がり、その結果価格も上昇するかもしれない。だが、このWindowsで求められる性能用件については不透明なままだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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