ラスベガス発--東芝の心中は「落胆」という言葉ではとても言い尽くせまい。何しろ、事業計画の柱の1つであり、CESという大舞台の目玉になるはずだった製品が、提携していたはずの企業によって開催2日前に台無しにされたのだ。
高画質DVDには2つの規格があり主導権を争っている。東芝はHD DVD陣営の中心的存在であり、Warner Bros.はこれまで中立を保っていた。それが米国時間1月4日、Blu-ray Disc支持を表明したのだ。かくして、6日朝CESで開かれた東芝の記者会見には技術系報道機関が多数詰めかけ、東芝の発表に耳をそばだてることとなった。
しかし、東芝はこの件について時間を浪費せず、Toshiba Americaで家電を扱う子会社のプレジデント兼最高経営責任者である小坂明生氏が、2007年第4四半期(10月〜12月)におけるHD DVDプレーヤーの販売が堅調だったにもかかわらずWarner Bros.がかく発表したことを残念に思うと述べただけだった。
「第4四半期のHD DVDの販売台数は過去最も堅調だった。したがって、Warner Bros.が2008年前半でHD DVDの販売を打ち切るという発表には驚いている。この市場でHD DVDが勢いをつけていただけに、こうした決定がなされたことに失望している」
東芝でデジタルオーディオビデオ製品のマーケティングを担当するバイスプレジデントJodi Salley氏の落胆はさらに大きかった。
「ご想像どおり、今日は辛い日になった。この会見ではHD DVDの2007年の販売高を誇ろうと思っていたのだが、ここ数日間に起こった出来事のおかげで、コメントすべきことが変わってしまった」
この会見では第4世代HD DVDプレーヤーが発表されるものと予想されていた。しかし、Warner Bros.の発表を受けて、HD DVD規格の固守と、すべてのプレーヤーにイーサネットポートが搭載されウェブに接続できるといった、Blu-ray Discにはない特徴が示されただけだった。
「HD DVDは死んだというような批評家は出てこないだろう。過去にはそんなこともあったが」
こうした楽観的なコメントにもかかわらず、同氏は東芝の次の動きについて、詳細を明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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