無料のオフィススイート「OpenOffice.org」が「Ulteo Online Desktop」と融合し、はじめてオンラインでの利用が可能になった。
ブラウザベースのOpenOffice.orgはオンラインでのコラボレーションが可能。PCにダウンロードおよびインストールすることなく使用することができる。同スイートを開発するOpenOffice.orgは先週、software as a service(SaaS)モデルを取り入れたことにより、ユーザーのすそ野が広がることを期待する、とする声明を発表した。
OpenOffice.orgでマーケティングプロジェクトを統括するJohn McCreesh氏は声明で「これは、ダウンロードやインストールすることなくOpenOffice.orgを使ってみたいと考えている人たちにとって面白い試みだ」と述べている。「今使用しているオフィスソフトと比べてOpenOffice.orgがどのようなものか知りたければ、PCのブラウザから動かして簡単に確かめることができる」
McCreesh氏と共同でプロジェクトを率いるFlorian Effenberger氏は、これからはインターネットに接続されたPCから誰でも好きな時にOpenOffice.orgを利用することができるようになると語る。「オンライン上で他のユーザーと共同で文書を作ることさえ可能だ」とEffenberger氏。「これはトレーナーや作業グループにとり特に興味深い選択肢と言える」
Ulteoは、Mandrake(現Mandriva)Linuxを開発したGaël Duval氏が始めた新しいLinuxディストリビューション。9月にオンラインデスクトップとして公開されて以来、OpenOffice.orgは今や最もよく知られる機能となった。OpenOffice.orgは声明で、Ulteoとの提携により、OpenOffice.orgは「最高のデファクトオンライン生産性スイート」になるとしている。
UlteoとSaaS版のOpenOffice.orgはともに現在はまだベータ版の段階だ。同スイートのテストには、Ulteoがサーバを置く欧州と北米に住む1万5000人のユーザーが参加している。
しかし、本稿執筆時点では「ユーザーの数が多すぎる」ため、OpenOffice.orgの提供するサービスを利用することはできない。
McCreesh氏は米国時間12月18日、ZDNet.co.ukの取材に対し、Ulteoは正式な公開に向けた「ユーザーの関心の高さに完全に圧倒され」、需要に応えるため新しいサーバを設置したことを明らかにした。
OpenOffice.orgは、文書処理、プレゼンテーション、スプレッドシート、計算、描画およびデータベース作成など、「Microsoft Office」の代替となる複数のオープンソースベースのソフトウェアで構成されている。Microsoftなど競合する他社のドキュメントフォーマットにも対応するが、文書を作成、表示する場合はISO規格のOpen Document Format(ODF)がデフォルトとなっている。
Microsoftもオンラインサービス市場への参入を目指しているが、現在この分野における主役は「Google Apps Premier Edition(GAPE)」を擁するGoogleだ。
SaaSモデルでは常時接続が必要だが、強力なセキュリティ(データがPCに保存されないため)をはじめ、どこからでもアクセスでき複数のユーザー間でのコラボレーションが可能となるなど利点も多い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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