[レビュー]変わらないことを望まれた最新デジカメ--リコー「GR Digital II」 - (page 4)

礒村 浩一 (Isopy)2007年12月18日 00時18分
リコー
内容:リコーから発売された「GR DigitalII」は前機種「GR Digital」が進化した最新型コンパクトデジタルカメラだ。しかしその見た目は驚くほど変化のないものとなっている。だがこの「変わらなさ」こそがリコーが目指したものだと言う。そこでこの「GR DigitalII」を実際に使用し、前機種から引き継いだ「変わらなさ」と最新デジカメである「変わった」ところを検証してみたい。

28mmレンズが切り取る高画質なスナップ写真

 GRD2にはその外観以上にGDR1より継承され変わっていないものがある。それは産まれながらのスナップカメラであるという点だ。軽量小型で手のひらに隠れるほどのボディに搭載されたレンズは35mm判換算28mmという広角レンズである。このレンズは開放F値2.4と明るく描写も驚く程によい。

 GRD2になりAF性能も向上し瞬時のスナップにも十分に対応できる。新しく搭載された撮像素子は有効画素1001万画素CCDとなりGRD1の約810万画素を上回る精細を提供してくれる。また新画像エンジン「GR ENGINEII」の採用で低ノイズを実現。処理速度も向上されているおかげで、GRD1では約11秒もかかっていたRAW画像撮影時の記録時間が、GRD2では約3.8秒と大幅に短縮された。これら「変わらない」アナログなエレメントと「変わった」デジタルなデバイスが絶妙なバランスを保つことで、新しくもどこか古い、「GR DigitalII」という不思議な魅力あるカメラとして存在しているのだ。

  • Pモード-1EV、1/540s、F3.5、ISO100、WBオート 朱塗りの仏塔。八角の塔はその中心から放射状にと造形を射出する。広角28mm相当の自然なパースペクティブが心地よい。発色も素直

  • Pモード+0.3EV、1/75s、F2.4、ISO400、WBオート 自然なパースペクティブと落ち着いた発色が提灯の質感と存在感を表現する。その場で見たままの印象にとても近い写真だ。暗部のノイズも抑えられている

  • Pモード-1.3EV、1/60s、F2.4、ISO100、WBオート、白黒モード 忿怒な表情の持国天像。勇ましい巨躯の圧倒的な存在感が伝わる。締まった黒からの描写がより力強く感じさせる

  • Pモード、1/60s、F2.4、ISO100、WBオート 歪曲もなく周辺光量落ちもほとんど見られない。外光の入る窓辺でも滲みもない。非常に優秀なレンズだ。単焦点レンズの魅力

  • Pモード、1/60s(R0011644.JPGは1/80s)、F2.4、ISO100、WBオート 帆布の描写も良く模型の質感が伝わってくる。光のグラデーションが自然で空気感を感じる写真だ

  • 絞り優先モード+0.7EV、1/80s、F7.1、ISO100、WBオート GRD2を水面すれすれまで持って行き撮影。28mm相当のパースペクティブがおもしろい。水面のグラデーションもきれいだ。水面まで手を伸ばしての撮影なので液晶画面を斜め上からしか見る事ができなかったが、カメラの傾きは電子水準器の音を頼りに平行を出して撮影

  • Pモード、1/640s、F6.3、ISO100、WBオート 花びらの描写も柔らかく発色もよい。肉感的な魅力を感じる

  • Pモード、1/400s、F5.6、ISO100、WBオート 太陽をフレームに入れて撮影。直射部分は当然、内乱反射を起こしているが、シャドー部は予想以上に影響が少ない

  • Pモード+1.7EV、1/30s、F2.4、ISO100、WBオート 室内と窓外が極端な露出比となっている為、窓枠が滲んでいる。しかし室内の壁や天井の描写には大きく影響していない。色収差も見られずレンズの設計が非常に優秀だといえるだろう

  • 絞り優先モード-0.3EV、1/350s、F9、ISO400、WBオート、白黒モード、アスペクト比1:1 アスペクト比1:1を選択、JPEGと同時にRAWでも撮影。中判フィルムの6x6判のように撮影できる。正方形フォーマット独特のフレームは写真の原点を憶い出させる

  • Pモード-0.3EV、1/60s、F2.4、ISO100、WBオート、白黒モード、アスペクト比1:1 正方形フォーマットでのポートレートは被写体と正面から向き合う覚悟を必要とする。それだけにおもしろい

  • オートモード+1EV、1/40s、F2.4、ISO209、WBオート 室内での撮影。窓から入ってくる外光での撮影だが全体にねむい感じの仕上がり。WBオートもいまひとつ

  • オートモード+0.3EV、1/30s、F2.4、ISO383、WBオート オートでISO感度が上がっている分、ノイズ低減処理も強くなっているようでディテールが弱まっている。室内での撮影は不得手か

  • Pモード、1/250s、F4.5、ISO100、WBオート 沈み行く陽の光が建物を照らす。青味が残った空と夕陽に照らされた雲とのコントラストもよく色味も自然。GRD2は屋外での撮影がとてもキレイだ

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