方向転換を図るデル、ハンドヘルド端末を必要とする理由

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年12月11日 17時44分

 DellはもはやPC業界の寵児ではないかもしれない。しかし、小型機器が驚くような効果を発揮し、同社が主流の顧客の心を再び引き寄せる可能性がある。

 Dellにとって2007年は変化の激しい1年だったが、同社は今こそリスクを冒し、新たな事業に乗り出す時かもしれない。具体的には、新しいハンドヘルド機器の発売だ。それはスマートフォンかもしれないし、コンテンツのダウンロードおよび転送のためにウェブやPCに接続可能な携帯型音楽・ビデオプレーヤーかもしれない。

 これは、Dellが単なるPCメーカーではなく、消費者製品メーカーであることを示すまたとないチャンスだ。同社の競合企業はすでに変化を遂げている。Appleは2007年のiPhoneブームが起きる前に社名から「Computer」を削除した。またHewlett-Packard(HP)も娯楽、通信指向型端末の分野に徐々に進出しつつある。

 Dellも、2月にRon Garriques氏が入社して以来、スマートフォンの発売がうわさされてきたが、先週のForbes誌の記事をきっかけにそのうわさが再浮上した。またDellで何かが進行中であることをより強くうかがわせる事例として、同社は2007年夏にZing Systemsを買収し、Zingに似た名前のオンラインコンテンツポータルの商標登録とドメインの登録を行ったのだ。

 では、将来Dellからハンドヘルド端末が発売されるのか。この点についてDellからは何の発表もないが、新製品発売の最大の舞台とも言えるInternational Consumer Electronics Show(CES)が2008年1月上旬に開催される。

 Dellが何か新しいことをしようとしていることは間違いない。同社は新幹部として外部から多数の人材を招いた。Garriques氏もその1人だ。Garriques氏は携帯電話機「RAZR」シリーズで、Motorolaの携帯電話事業の再生に成功した。Dellは過去1年近く事業の再建に取り組んできたが、Garriques氏の採用もその一環だ。また同社は、複数の物事を慎重に取りかかり始めている。例としては、人員削減や、ITインフラや不祥事を起こした会計部門の見直しを行っている。また、工業デザインや消費者へのアピールに再び重点を移した。さらに言うまでもないが、販売戦略も強化し、小売業界への進出を初めて盛り込んだ。

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