SEOより大事なもの--韓国に見るEC構築サイト成功の鍵 - (page 2)

坂本純子(編集部)2007年12月07日 00時22分

──MakeShopを利用するメリットや集客戦略は?

大きくあげて3つあります。

  • 高機能:MakeShop自体の機能のアップグレード。1週間に1回は行っています。
  • 教育:使い方や買い方がわからなくても、教育をして使ってもらう。
  • マーケティング:広告やマーケティング戦略
“複数のオークションやショップサイトの受注状況などを一括で管理できるMakeShopの管理画面 複数のオークションやショップサイトの受注状況などを一括で管理できるMakeShopの管理画面

 MakeShopに加入すれば、単にショップが作成できるだけでなく、雑誌掲載、オンラインでの広告、さらには海外展開までワンストップで行えるのが特徴です。

 韓国でNO.1のポータルサイト「NAVER」内の検索ポータルサイトにも出店できます。オークションとも提携ができ、ヤフー内にショップを入れることもできます。MakeShopを使えばオークションにも無料で出せるのです。

“価格は付いているが、現状無料で配布しているカタログ雑誌 価格は付いているが、現状無料で配布しているカタログ雑誌

 ポータルにもオークションにもMakeShopの管理者画面から、サイトごとに登録しなおさずにそのまま複数のオークションに出店できます。そのためには、各オークションサイトからソースを渡してもらわないとできないので、MakeShopだけの強みです。

 私たちがデータベースを持っているわけですが、そのデータベースを使ってどのぐらい広告をしてあげられるかです。後の述べますが、日本、中国、米国など、海外でも売れるようにしています。海外まで展開できるのは、韓国ではコリアセンターが初めてだと思います。

──各社との提携が強みということですね。

 日本だとモールなら楽天、オークションならYahoo!など、大手が抑えています。一方で韓国は、ここにいけばファッションのショップ、といった専門のモールが非常に大きく、ポータルも無視できません。だから、そういうショップを持っているわれわれと一緒に提携してくれる。

 最初は大変ですが、1回どこかの会社と提携を持てれば、あとは難しくはありません。最初は、われわれもオークションとは提携ができないと思っていましたが、今では逆にオークションサイト側から話が来ます。最初が一番重要だということです。

 ただ、韓国では1位から4位のポータルが同じレベルでいるので、他社との連携がしやすい事情があります。日本では同じようにやるのは難しいかもしれませんね。

──日本では、アフィリエイトの人気も高いのですが、韓国ではどうでしょうか。

 韓国ではアフェリエイトはあまりはやっていません。効果もあまりないのです。ただ、キーワード広告は、盛り上がっています。日本でもっともオーバーチュアが強いのはYahoo!ですが、韓国でポータルとしてはYahoo!はそれほど強くありません。韓国でのNO.1は「NAVER」です。「NAVER」がオーバーチュアのような事業を始めます。MakeShopは、その特約店にもなっています。

──韓国のECショップの傾向は日本とは異なりますか?

“あるファッションサイト。服そのものだけでなく、服を纏った生活シーンを想像しやすいつくり あるファッションサイト。服そのものだけでなく、服を纏った生活シーンを想像しやすいつくり

 1つショップをお見せしましょう。これは洋服を売っているショッピングモールですが、日本から見たらショップに見えないかもしれません。日本はSEO対策などもあり、文章(テキスト)が多い傾向にありますね。ページ自体をわざと白くして、余分なものを全部なくしているんです。いまは1つのショッピングモールというよりも、ショップに見せないように、1つのドラマやミュージックビデオのようにしてショップをつくっています。

 韓国は、SEOの重要性を分かっていないわけではありません。ただ、お客様が買うときに一番必要なものは、“言葉よりも絵”なんです。全部イメージなんです。韓国では、ほとんどのショップがテキストはあまり書きません。“モノ”を買おうとするとき、イメージを見るからです。それは、日本でも同じだと思うのですが。

──実際に動画を使ったショップも多いのでしょうか。

“MallTB。リボンの結び方などHOWTOものや、目を引くおもしろさ重視のコンテンツが多いという MallTB。リボンの結び方などHOWTOものや、目を引くおもしろさ重視のコンテンツが多いという

 動画専門のショッピングモール「MallTB」があります。内容がおもしろければ多くの人が見るので、映像の中に自分たちのショップのキーワードやURLなどを入れます。関連商品なども出るようにしています。これらのショップの参加料は、MakeShopに入っていれば無料なので、動画を作っているほとんどのショップが参加しています。

 映像は、MakeShopならつくるのが簡単です。ほかに編集ソフトを買わなくても、ウェブで撮影した映像や画像を編集できるんです。モザイクをかけたり、何秒表示させるかなどの編集をして映像をつくれます。動画ショッピングモールは、特許を取得しています。

──韓国でNO.1を維持している点について、どう分析していますか。

 やはりマーケティング重視でやっているのがいいのだと考えています。教育さえすればショップを作ること自体はできます。でも、ショップは、作った後が一番重要なのです。ですから、自分がショップをつくったら何がしたいか。自分がショップをもっていれば、どこにお金を出すんだろうと考えて提携をします。

 単にショップを作るだけでなく、広告まで含めてワンストップでできる。そこまでやっている会社が実際にないので、MakeShopはまだ成功かどうかわかりませんが、成功に近づいているのだと思います。

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