Microsoftは米国時間12月4日、「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」の製品候補版が完成し、来週から一般に向けて公開すると発表した。
同社は今週、既にSP1ベータ版をテストしている約1万5000人を対象にテストコードを公開。さらに6日には同コードをMSDNとTechNetのデベロッパープログラムの参加者たちにも提供する。
Windows Clientチームのシニアプロダクトマネージャーを務めるDavid Zipkin氏は「われわれは大変満足している。これまでよりも多くのテスターたちからのフィードバックを心待ちにしている」と語った。
またMicrosoftは5日、Vistaブログ上で今後もテストを続けたいVistaユーザー向けに、SP1の正式版がリリースされた場合もWindows Updateから同製品がインストールされないようにする「ブロッカー」をリリースすると発表した。Microsoftは、「Windows XP Service Pack 2」リリースの際も同様のオプションを提供している。
Service Pack 1は、新たな機能を追加したものではなく、主にバグの修正や性能の向上を目的としている。機能に関する変更点としては、ドライブ暗号化システム「BitLocker」が複数のドライブボリュームを暗号化可能になったことや、デスクトップ検索機能が挙げられる。デスクトップ検索機能は、独占禁止法に抵触するとGoogleが懸念を示したことを受けてのもの。
Microsoftは今週、SP1において海賊版対策機能を変更する考えを明らかにした。同社は、正規版を搭載していないと判断されたVistaマシンを、使用することがほぼ不可能な「機能限定モード」にするシステムを廃止する。非正規品であることが判明したシステムには目立つ注意書きが表示され、正規版の購入を促されるようになる。新たな海賊版対策の手法は、製品候補版ではなく、SP1の正式版から反映される予定。
Microsoftでは、2007年に入ってテストを開始して以来、SP1にいくつか変更を加えてきた。同社は特に、アップデートのサイズ縮小とアップデートを実行する際に必要となる空き容量の低下に向けた取り組んできた。
一般的な使用の場合でも、SP1ベータは4.5Gバイトの空き容量を必要とするが、過去のベータ版の7Gバイトと比べると低下している。削減された容量の大部分は、ユーザーが自由に使用することができる。一部のユーザー、特に超小型PCや「Mac」のパーティションでVistaを使用しているユーザーの場合、空き容量の条件が障壁になる可能性がある。
さらに、MicrosoftはWindows Update版やフルバージョンのSPのファイルサイズを大幅に縮小した、とZipkin氏は語る。
Vista SP1の製品候補版は、Windows ServerチームがWindows Server 2008のパブリック製品候補版をリリースするのと時を同じくして公開されることになる。Vista SP1とWindows Server 2008の開発は、極めて緊密に歩調を合わせる形で進められてきた。両製品とも2008年の第1四半期にリリースが予定されている。だが、Zipkin氏は、どちらかの製品で品質上の問題点が明らかになった場合、リリース時期が変更になることもあり得ると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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