DoubleClickは最近、ウェブサイト運営者などの広告枠の売主と、広告主あるいは広告ネットワークといった広告購入者をマッチングさせる広告取引市場を開始した。同社は、DoubleClick Performicsという検索エンジンマーケティング事業も有している。
ECは第2段階調査の一環として、DoubleClickがオンライン広告「仲介」市場において、Googleの有効な競合企業に成長する可能性があるかどうかについて検討すると述べている。また、「1つには、オンライン広告市場および広告仲介サービスにおいて、もう1つには広告サービス技術において、それぞれ大手プロバイダーである両社を(結びつけることで)こうした市場で事業を行う競合企業が太刀打ちできなくなるような事態を生み、その結果、消費者に悪影響を及ぼす」おそれはないかどうかについても調査するという。
「この調査は、DoubleClickの業務全般にわたり、それがGoogleの事業にどのような役割を果たすかを調べるものだ」と、法律事務所Latham & Watkinsの独占禁止法を専門とする弁護士のDan Wall氏は述べている。同氏はOracleの代理人として、OracleのPeopleSoftの買収に際して裁判所の承認を見事に勝ちとった人物だ。「何らかの価値あるものを独占する可能性のある競合企業が存在する場合、懸念されるのはそれを他者が利用できなくなるかもしれないということだ」
GoogleとDoubleClickの顧客のうち相当な数の人たちが、選択肢がなくなり1つの大企業に依存することになると判断するとしたら、ECは両社の合併に反対するだろうと、法律事務所Heller Ehrmanのロンドンオフィスで独占禁止法を専門とする弁護士のTed Henneberry氏は説明している。同氏は2006年まで、アイルランドの公正取引を監督するIrish Competition Authorityのメンバーだった。
「重要な問題は、GoogleとDoubleClickが同一の一般市場でどの程度まで接近していくのかということだ。ECは、現実として両社が大部分において補完的な事業体なのか、それとも事実上は競合企業なのか、さらに、実際は広告主やウェブサイトにとって、両社のサービスがどちらを選ぶかという形で選択の対象になっているかといった点を徹底的に検討しなければならないだろう」と、Henneberry氏は語った。だが、顧客にとってこの合併がワンストップショッピングの出現として歓迎されるなら、Googleの買収が承認される可能性は大きくなるだろうと指摘している。
ECがこの10年の間に、真っ向から合併を阻止することはほとんどなかった。だが、Googleの場合は抵抗に直面するだろうと、独占禁止法が専門の弁護士らは述べる。
「今回の合併案は、非常に深刻な懸念を引き起こしている。個人的には、この計画が承認されるとは思わない」と、法律事務所Clifford Chanceの欧州オフィスの独占禁止法専門の弁護士Thomas Vinje氏は述べている。
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