次に、2006年のインターネット広告に関する広告主業種別動向のポイントを総括する。
リッチメディア、リスティング広告等の登場後、これまで幅広い業種、企業に拡大してきたインターネット広告であるが、その流れは2006年も継続し、引き続き拡大した。企業業績の拡大基調がこの傾向を後押しし、既にインターネット広告を多く使用している業種からの出稿も順調に拡大した。
特に、「人材」、「住宅・不動産」、「飲料」、「化粧品・トイレタリー」、「交通・レジャー」関連業種を中心とした出稿拡大が際立った。いわゆるナショナルクライアントと呼ばれている有力広告主企業もインターネット広告への出稿を増加させた。
一方で、2006年半ば頃からの消費者金融、保険業を中心とした金融業の広告出稿抑制により、金融業のインターネット広告市場全体における構成比は減少した。
インターネット広告への需要が底上げされている状況において、広告主のインターネット広告に対する目的の2極化がより顕著になった。一方は、ブランディング効果であり、他方は費用対効果である。
この傾向を業種別で見ると、「情報・通信」、「金融」、「人材」、「住宅・不動産業」等は、より費用対効果志向へ、飲料、食品、化粧品・トイレタリー等の消費財、サービスを扱うナショナルクライアントは、ブランディング効果志向へと向かっている。
すでに多くの業種に普及しているインターネット広告であるが、まだ利用促進されてない業種もある。
アンケート結果からは、「エネルギー・素材・機械」等IT関連以外のBtoB業種、「食品」メーカー、ECサイトを持たない「小売・流通」がその範疇となり、いわば今後開拓すべき新領域と言えよう。
今後はこれら業種へのインターネット広告の普及度合いが、市場規模の動向にも影響を与えてくるであろう。「ファッション・アクセサリー、趣味・スポーツ用品」は、すでにインターネット広告の利用は行なわれているものの、今後も伸びしろが大きいと思われる。(シード・プランニング担当:野下智之)
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