有料リンクを販売しているサイトは、このままPageRankが下がるだけで済むのだろうか。
渡辺氏は、これまでのGoogleの方針からすれば、どこかのタイミングで今回ツールバーのPageRankが落ちたサイトは検索結果の順位が落ちる可能性も否定できないとしている。「さらにリンク販売サイトからリンクを購入しているサイトも相応に落ちてくるという見方ができます。目に見えるPageRankだけ下げるのであれば実効性がないので、Googleとしては本気で有料リンクをやめさせたいのであれば、それを順位に反映させる状況を作ると思います。逆に言えば、有料リンクを買っているサイトの検索順位が実際に下がらない限りなくならないと思います」
住太陽氏は、PageRankのようなリンクポピュラリティが、検索結果の順位を決める要素として占める割合が高いうちは、有料リンクなどの行為が根絶することはあり得ない見ている。「そのため検索サービス各社は有料リンクや過度な相互リンク、各種のリンクスパムなどを排除する方向で検索結果をチューニングしていくものと思われます」と住氏は述べる。リンクポピュラリティが無視される状況はまだ考えられないが、将来的には相対的な重要度が下がってくるようなことも十分にあり得ることだとしている。
新たな動きもある。多数のブロガーに特定の商品やサービスに関するエントリーを書いてもらい、それに対して料金を支払うという“クチコミ促進サービス”があるが、これもSEO効果があることから有料リンクと見られているという。まずは米国のPayPerPostというサービスが窮地に立たされたようだ。「GoogleはPayPerPostに参加したブログを完全にページランクから抹殺し始めた」とTechCrunchが報じている。
渡辺氏はPayPerPostなどのサービスによって作られたエントリーを評価すべきかどうか判断するのは難しい問題だと語る。「確かにSEO目的で記事を書かせているから有料リンクであると言える一方で、もしその依頼の内容が例えば、『このデジカメを実際に使ってみて感想を書いてください』というものだった場合、確かにお金は払っているけれどもコンテンツはそのユーザーの利用感想になる。そうするとその情報に価値がないとは言えないから、そのリンクを評価しない理由にはならない」
ウェブサイトやブログ運営者は何を心がけるべきなのだろうか。
住氏の考えはシンプルである。「ウェブマスターにとって重要なことは、ツールバーに表示されるPageRankの値を向上させようと不正に走ったりすることではありません。PageRankはあくまでも数ある指標の1つに過ぎないことや、その正確な値を私たちが知ることはできないものであるということを認識し、支持投票としての被リンクをより多く獲得するような努力を払うべきです」
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