Linux Foundationによって以前に発表されたLinuxの使用状況に関する年次調査の結果によると、Linuxデスクトップを導入した企業や組織のうち、マシンの半数以上でLinuxが稼働しているところは40%に満たない。しかし、これらの企業や組織の大半ではLinuxをサーバよりもデスクトップ用途で使用しており、これは、Linuxは現在もそうだが今後も主としてサーバ用OSであり続けるだろうという一般的な認識に反しているように見える。
しかしここでもLongbottom氏は警鐘を鳴らす。人気ウェブサイトにアクセスするために使用されているOSの割合を調べた調査結果のデータを引用して、Longbottom氏は次のように指摘する。「Linuxがデスクトップ用途で使用されるようになってから15年になるが、いまだにデスクトップとしての普及率は1%未満である。これはVistaが1年以内で達成した数字よりも低い」
その他の評論家らは従来のデスクトップシステムの先を見越している。
「確かにフリーソフトウェアに基づいたデスクトップシステムは、着実に発展してきた」とOPEN ...のGlyn Moody氏は述べる。「特に、(Ubuntuの開発を支援しているCanonicalのような)人々がWindows並に使い勝手を良くしようと努力しているからだ。しかし、デスクトップがレガシー市場に変わりつつあり、徐々に重要性を失っているのは明らかになっているとわたしは思う」
3種類の製品の発表がこの説を裏付けているとMoody氏は指摘する。「『ASUS Eee PC』は超小型、超低価格のモバイルPCという新しいカテゴリを生み出しそうだ。Windowsはこれに対抗できない。ハードウェアが安価になればなるほど、Windowsという『税金』が価格全体に占める割合が大きくなる」。またMoody氏は「Everex Green gPC TC2502」にも言及している。これは基本的にはウェブベースのシステムであり、GNU/Linuxシステムを搭載している。
「最後に、もしGoogleの携帯電話スタックである『Android』が軌道に乗ったら、デスクトップ上ではなく、gPCのようにウェブアプリケーションを稼働させる、膨大な量のLinuxベースのシステムが登場するかも知れない」とMoody氏は述べる。「従って、ある意味ではGNU/Linuxは従来のデスクトップ市場の大きなシェアを獲得するかという問いは自然ではあるが間違いだ。それは過去のことになっている。もっと興味深いのは、ウェブベースのシステム、超小型ポータブル、モバイルといった将来のパーソナルコンピューティングの市場区分のシェア争いであり、この競争ではGNU/Linuxがすでに一歩抜け出しているのは明らかである」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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