広く普及している画像フォーマットJPEGに、よりハイエンドな後継仕様を策定するための動きが、正式に進みつつある。
Microsoftの「HD Photo」プロジェクトを指揮し、このたびMicrosoft Live Labsが推進する「Seadragon」イメージプロジェクトの指揮も引き継いだBill Crow氏は、JPEGを標準仕様として策定したJoint Photographic Experts Group(JPEG)に参加する多くの国々により、MicrosoftのHD Photoフォーマットを、「JPEG XR」の名称で標準化することへの同意が得られたと語った。「XR」とは、「eXtended Range」を表しており、新フォーマットでは、優れた色調範囲の拡張と豊富な広色域が特長となっていることを示している。
Crow氏は「各国による投票が終わり、承認がなされた。つまり、国際的なJPEG委員会によって、標準化に向けて前進するとの決定が下されたということだ。今後は、実際の標準策定作業のプロセスに入ることになる」と述べた。2007年11月中に、日本の神戸で開かれる会議において、このプロセスがスタートする予定。
「Windows Media Photo」という名称で、Microsoftの自社内の開発技術として生み出された画像フォーマットから、Microsoftと深く関わることを好まない企業にとっても受け入れやすい、より中立的なフォーマットへと移行する上で、今回の動きは重要なステップとなる。
しかしながら、Microsoftにとっては、より広くHD Photoが受け入れられるようになるまで、一層辛抱強く待たねばならないことも意味している。標準化には「大抵は約1年を要する」と、Crow氏はコメントしている。
MicrosoftのRich Media Groupでデジタル画像エバンジェリズム担当ディレクターを務めるJosh Weisberg氏は、待つ価値があると述べている。
Weisberg氏は「わたしは、HD Photoに対するより多くの支持を得たいと思うと同時に、標準化されたバージョンの登場まで、人々は待つものだと考えるのが論理的であると考えている。標準化のプロセスを通過しないのであれば、われわれは、いまよりずっと強力に人々に支持するよう働きかけていくことになるだろう」と述べた。
Microsoftの説明によると、HD Photoは、従来のJPEGと比較して圧縮技術に優れ、カメラ内部での画像処理もサポートする。Windows Vistaでは標準で対応しているほか、Microsoftは、ロイヤリティフリーかつ無料で技術利用できるソフトウェア開発キット(SDK)を提供する。また、画像編集ソフトウェア大手のAdobe Systemsも、同フォーマットへの対応を表明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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