大統領候補のBarack Obama氏は、仮に大統領に選出されたら、最優先事項として、AT&TやComcastなどのブロードバンドプロバイダーがインターネットコンテンツに優先順位を付けることを禁止する計画だ。
イリノイ州選出の1年生上院議員であるObama氏は、米国時間10月29日にアイオワ州のコー大学でMTVとMySpaceの主催で開催された対話形式のフォーラムの中で、ネットの中立性に関する連邦規則への署名は、大統領就任1年目の最優先課題の1つになる、と語った。
ネットの中立性とは、ブロードバンド事業者に対し、インターネットコンテンツやサービスを遮断したり、劣化させる行為、あるいは料金を支払ったコンテンツプロバイダーにのみ、より高速なデータ送信などの優遇措置を講じる行為を認めるべきではないという考え方だ。
Obama氏が回答した質問は、元AT&Tのエンジニアで、現在は小規模企業のオーナーであるJoe Niederberger氏がビデオで投稿したもので、オンラインビデオコンテストで選ばれた。Niederberger氏は、権利擁護団体MoveOn.orgのメンバーでもある。同氏はObama氏に対し、「ネットの中立性を国法として再活性化させることを大統領就任1年目の優先事項とするか。また、連邦通信委員会(FCC)の委員にネットの中立性のような開かれたインターネットの原則を支持する人のみを任命することを誓うか」と質問した。
この質問に対し、Obama氏は「答えはイエスだ」と述べ、「私はネットの中立性を強く支持している」と語った。
さらにObama氏は、ネットの中立性の問題について簡単に説明した。「これまで皆さんが見てきたロビー活動は以下のような内容だ。すなわち、皆さんがインターネット上で情報を入手する際に利用しているサーバやさまざまなポータルが門番となり、ウェブサイトによって異なる料金を徴収できるようにすべきだ(中略)そうすれば、ユーザーはFox Newsサイトからは極めて高品質のサービスを受けられる一方で、小規模サイトは低品質なサービスしか提供できなくなる、という主張だ」と述べた上で、「しかし、それではインターネットの最も優れた特性の1つが失われると私は考える。その特性とは、インターネット上では誰もが驚くほど平等であるという点だ」と付け加えた。
またObama氏は、「(インターネット上に)平等な機会」がなければ、Googleのような企業も生まれていなかったかもしれないと述べ、さらに、選任するFCC委員らにはネットの中立性を基本原則として確実に適用させることを約束した。
Obama氏の主張は必ずしも驚くべきことではない。ネットの中立性に関する法律の制定をめぐる議論が本格的に過熱し始めた2006年夏に、同氏は、規制の必要性を訴えかけ、「今日のインターネットを変える」能力を電話会社やケーブル会社に与えないということをポッドキャストで述べているからだ。同氏はまた、ブロードバンドプロバイダーに対するネットの中立性に関する規制を提案する法案の共同提出者として署名している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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