カリフォルニア州ハーフムーンベイ発--Yahooの最高経営責任者(CEO)は「孤独な仕事」だ。1994年に同社を共同で設立し、この6月に行われた経営刷新でトップになったJerry Yang氏はこう語った。
「孤独と言ったのは、苦渋の選択を迫られるという意味でだ。設立以来の13年間はずっと研修中だったような気がする」。当地で開催されたカンファレンスの「炉辺談話」でYang氏はこう話した。このカンファレンスを主催したのはRight Mediaが運営する広告オークションサイトRight Media Exchange。そのRight Mediaを、Yahooはこの春買収している。
Yang氏ら経営陣は、検索とオンライン広告の市場でGoogleが優勢であることから「自己分析」を試みた。
「今年初め頃の感じは、何と言えばいいか、今が好機だ、そうでなければ次の機会は永久にない、そんな風に思っていた。今は、Yahooがやるべきことに対する焦りがある。何か挑戦すべき課題があるのだ……絶えず感じるが、すぐに消えてしまう」
Yang氏は、Yahooの起業家精神と顧客中心主義を育むことは同社の将来にとって必要不可欠だと言う。「上昇基調にあるときは誰しも帰属感のようなものを感じたがるものだ。しかし、そうでないときは(企業の)アイデンティティが切り抜ける助けになる」
Yang氏によると、Yahooはこれまで「変身」を繰り返してきたという。「われわれは今また変身しようとしているところだ。そこには、広告の販売方法の変化がある」、また、インターネットの利用者がメディアを作る手段もあると同氏は述べる。「われわれは変化を歓迎する」
誰もが参加できるオープンな環境を実現し、企業との提携により広告主が顧客を掘り起こす力を強化することで、Yahooは新しいオンライン広告の世界で独自のあり方を示してきたとYang氏は言う。
そして、ソーシャルメディアはますます重要性を高めているが、Yahooには、Yahoo AnswersとYahoo Flickrという、ウェブで最大級のソーシャル環境が2つあると指摘した。
Yang氏は、「Yahooが明日、Facebookになれるとは思ってない。また、Facebookになりたいとも思っていない」と付け加える。Yahooは、英国最大のソーシャルネットワークBeboで広告を扱うが、米国ではFacebookおよびMySpaceとの提携に失敗している。
Googleが検索広告市場でリードする一方で、Yahooはディスプレイ広告でリードしている。しかし、ディスプレイ広告がより効果的になるためには、今日よりも高い関連性が必要だ、とYang氏は述べる。「表示の関連性についてイノベーションはこれまであまりなかった」(Yang氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」