検索とオンライン広告でGoogleに追い越された後、米Yahooは一見すると自社の位置づけを確立しようと奮闘しているのかもしれない。だが、同社のアドバンスドデベロップメント部門担当バイスプレジデントであるBradley Horowitz氏によると、開発とイノベーションはこれまで通り続いているという。
Horowitz氏は、「われわれのハックイベントは好調で、会社が業界における自社の立場や難しい課題を再考している現在でも、この精神は生きている」と述べる。そして、Terry Semel氏に代わって共同設立者であるJerry Yang氏が最高経営責任者(CEO)に就任したことや、Yang氏が戦略と方向性の見直しを約束している点について触れた。
例えばYahooは、新しい地図機能とショッピング機能を米国時間9月12日夜にリリースした。これは、Yahoo社内で3月に開催された「Hack Day」の成果だという。このHack Dayは、開発者向けのイベントで、製品になるかならないかは別として自由に新しい技術を開発することを趣旨としたものだ。「Yahoo Messenger Flight Planner」や「Car Finder」はHack Dayから生まれた機能で、このほかにも既存製品に付加された機能がたくさんある。
地図機能は「MapMixer」と呼ばれるものだ。「Yahoo Map」をベースにさまざまな地図を重ねることができ、他のユーザーとシェアするように設定することも可能だ。データ、POI(Point of Interest)などの情報を重ねる通常の地図マッシュアップとは異なる。
MapMixerを使えば、カリフォルニア大学バークレー校キャンパスの地図をYahoo Mapに重ね、大学の建物やその他の施設に関するより詳細な情報を表示できる。あるいは、現在の地図と昔の地図を重ねたハイブリッド地図を作ることもできる。地図を重ねるには、新しい地図をアップロードして、2つの地図にある共通のポイントをクリックすればよい。MapMixerはここで利用できる。
Hack Dayの2つ目の成果であるショッピング機能は「Shop by Color」というものだ。Yahooはここで、56色で構成されるパレットを作成し、ユーザーは「Yahoo Shopping」での買い物の際にこれを利用できる。Shop by Colorを使うことで、ユーザーはさまざまな商店が提供する影や色、商品名に依存する必要がなくなる。Yahoo Shoppingの検索結果絞り込み機能に統合される予定。「色をクリックして、『この色の100ドル以下の靴』などのように絞り込むことができる」とHorowitz氏。「簡単な機能だが、この技術を製品1000万点という規模で適用した例はないと思う」(Horowitz氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス