UPDATE マサチューセッツ州ケンブリッジ発--インターネット分野における伝説の技術者であるBill Joy氏が、インターネットより良い投資先を見つけたという。その良い投資先とはグリーン技術だ。
Joy氏は米国時間10月15日、ベンチャーキャピタル会社Kleiner, Perkins, Caufield & Byers(KPCB)のパートナーとしてさまざまなグリーン技術を調査している理由について講演した。同氏は、ナノテクノロジーに関する「Lux Research」カンファレンスにおいて、運輸業界や太陽エネルギー分野での大きな変化についても予測した。
Sun Microsystemsの共同創業者として複数のインターネット技術を開発した功績があるJoy氏は2005年に、シリコンバレーの有名なベンチャーキャピタル会社であるKPCBにパートナーとして迎え入れられている。
Joy氏は、インターネット分野を「現在とんでもなくおかしなことになっている」と表現し、そういった分野への投資はいくつかの半導体企業を別にして避けているという。対照的に、地球温暖化という問題は差し迫っているため、エネルギー技術やグリーン技術への投資によって、イノベーションを生み出すための素晴らしいチャンスが与えられることになると、同氏は述べる。
Joy氏は講演において「KPCBの共同創業者であるEugene Kleinerは、パニックを起こすことが適切となる時もあると述べたことがある。そして私は、問題の規模だけではなく、エネルギー利用がより効率的になっていくことでわれわれに与えられる経済的なチャンスのことも考えると、われわれはパニック状態になるべきだと考えている」と語った。
Joy氏は講演後のインタビューにおいて、エネルギー技術やグリーン技術には大きな可能性を秘めた技術的要素が存在しており、市場も巨大であるため、ベンチャー投資先として魅力的なものとなっていると述べている。
同氏は、グリーン技術がもたらす金銭的な見返りは大きいと確信している。なお、グリーン技術への投資は大幅に増えている。過去数年の間に、クリーンな技術を用いる複数の電力会社がマネジメントを必要とするまでに成長し、複数の太陽光発電会社が株式公開を果たしている。これに対して、バイオ燃料といった他の分野の成果はまちまちである。
Joy氏は「価格が妥当な初期段階にある、本当に上質のベンチャー企業はまだ存在している。これはインターネット分野の企業にはあてはまらない。インターネット分野はとんでもなくおかしな状態にあるため、それほど過熱していない分野を対象にするのはよいことだ」と述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」