大口 はい。「Rolly」は生まれた経緯が違います。私は元々AIBOの開発設計担当していました。この商品は、ロボット技術をデジタルプレーヤーに応用すればこんな面白いことができますよ、という提案から始まったんです。
沢井 小型化・高性能、新しいインターフェースが流行ってきているオーディオ市場とは相容れないというか。Rollyはサウンドエンターテインメントというカテゴリの物として、まったく新しい基軸のものなんです。
大口 特徴は3つあります。1番目は音です。われわれが「機能美」と呼ぶこの卵型は、高音質の再現にも強く関係しています。スピーカーって小型になると正面からしかいい音で聞けなくなるんですが、これは生活の中で使うため、どこからでも同じ音質で聞ける水平対向型にする必要がありました。
卵型はそれを実現するために実に理想的な形なんです。流線型なので音の干渉も少ないし、机の反射を利用することで低音を増幅させる働きもあるんですよ。
2番目はユーザーインターフェースです。Rollyには液晶がなく操作ボタンも1つしかありません。最近のデジタルプレーヤーのトレンドはボタンやカラー液晶を採用し、目的の曲を一発で探すための工夫を凝らしている。でもRollyはそうではなく、曲を探す動作すらも楽しめるプレーヤーになっています。
例えば選曲は、流れる音をジョグダイヤルを回して探す昔のラジオのチューニングをする感覚に近いんです。便利さよりも楽しさを追求するユーザーインターフェースのデザインと言えます。
3つ目は音楽を動きで表現した点です。左右のアームやホイール、ショルダーが各2組計6個、加えてLED部2つの計8カ所が音楽に合わせていろんなパフォーマンスをするんです。
オリジナルのモーションも制作できるので、動きによっても自己表現できる新しさがあります。これらの3つの特徴はどれを取っても既存のカテゴリにはないので、まったく新しい“サウンドエンターテインメントプレーヤー”として打ち出しました。
卵型の手のひらサイズのボディに、高音質スピーカーとモーション機能、さらに音楽再生、Bluetoothを内蔵したソニー「Rolly」は、全く新しいタイプの音楽プレーヤーだ。むだのないシンプルな筐体は、モーション機能とLEDによって強い生命力を与えられる。音、動き、光の三位一体による、他の製品ではない、あらたな音楽の楽しみを提案する。
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