激しい攻防が繰り広げられたこの論争の主な焦点は、次の2つの問題にある。つまり、GoogleによるDoubleClick買収により、オンライン広告市場における競争が消滅し、広告費が上昇する可能性があるか、そして、合併によりGoogleはインターネットユーザーに関する膨大な保存データを所有することになり、プライバシー問題が生じたり、他の広告企業らが効率的にターゲット広告を作成する能力が抑制されたりするか、という点である。
Drummond氏は、DoubleClickはGoogleの競合企業ではなく、補完的な事業を扱う企業であるため、買収には独占禁止法に関する問題はないと繰り返し述べた。同氏は、その主な理由として、DoubleClickは広告を売買する事業に携わっているのではなく、単にそれらを表示するツールを提供しているだけだが、Googleは広告を売買する事業に従事しているからであると述べた。同氏は、DoubleClickを買収するGoogleの主な目的は、テキストベースの広告市場において既に確立された同社の主導的な立場を補強するため、ディスプレイ広告、つまり、グラフィカルな広告の提供における同社の地位を強化することであるという、同社最高経営責任者(CEO)のEric Schmidt氏が以前出した声明を繰り返した。
Drummond氏は、Googleによる合併案件とMicrosoftによる60億ドルでのネット広告企業aQuantiveの買収を何度も比較し、聴聞会でしばしば唯一の出席議員であったKohl氏に対し、オンライン広告市場をより「全体論的に」見てほしいと主張した。
Drummond氏は、「オンライン広告という目的に対するインターネット上のすべての情報を、われわれが単体で抑制することはない」と述べた。「この市場にはaQuantiveなど他の競合企業も存在し、それらの企業も同じようなデータを所有する」(Drummond氏)
Microsoftの法律顧問であるBrad Smith氏は、同氏側の主張として、GoogleとDoubleClickが互いに競合しないという主張に対し、全く反対意見であると述べた。同氏は委員会に対して、ソーシャルネットワーキングサイトFriendster.comのスクリーンショットを示したポスターを提示し、1つのページにGoogleのAdSenseネットワークによる広告とDoubleClickによる広告が含まれていることを指摘した。
Googleは、DoubleClickはその広告提供技術により、FedExやUPSなどの運送企業がAmazon.comに提供するのと同じサービスを同社の事業にもたらすと主張した。これに対しSmith氏は、「Googleは既にAmazonと同じ立場であり、既にFedExと同じサービスも提供する。その上で今度は郵便事業を買収したいと提案しているのだ」と反論した。
Smith氏はまた、この提携が実現するとすれば、New York Stock ExchangeとNASDAQが統合するようなものだと述べた。「別の取引所を設立することもできるかもしれないが、誰も上場したいと思わないだろう」(Smith氏)
Drummond氏はこの意見に反論し、同氏の発言は、「トラックをドックからディーラーに運送する企業が、車やトラック市場を支配すると言っているのと大差ない。まったく意味をなさない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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