米ヤフー、中国人ジャーナリスト訴訟で米地裁に棄却を申し立て

文:Stefanie Olsen(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年08月28日 17時13分

 米Yahooは米国時間8月27日、中国人ジャーナリスト2人が提起した訴訟の棄却を求める申立書を米地裁に提出した。原告である中国人ジャーナリスト2人は、Yahooと同社子会社が、彼らのオンライン文書についての情報を「積極的に」中国政府に引き渡したと主張している。

 この訴訟は、4月に北カリフォルニア地方裁判所に提起されたもの。原告で民主化運動の活動家であるShi Tao氏とWang Xiaoning氏の両氏と、Wang氏の妻であるYu Ling氏は、Shi氏とWang氏のオンライン活動および民主化を訴える文書に関する情報を中国当局に提供したとして、Yahooと同社の香港子会社を提訴した。訴状によると、最終的にYahooの情報提供が原因でShi氏らは逮捕、起訴されたという。両氏は懲役10年の判決を受けた。

 これに対し、Yahooは同地裁に提出した51ページに渡る申立書の中で、本訴訟は訴えの利益を欠くと主張した。

 Yahooは申立書の中で次のように述べている。「本件訴訟は、中国の法律に違反し、インターネットを使って政治的見解を述べた罪で懲役となった中国市民によって提起されたものだ。これは、中国の法律と中国政府の行為に挑戦する政治事件であり、米国の裁判所で審理すべき問題ではない」

 米国のインターネット企業が、事業展開している諸外国においてユーザーの匿名性を保護する責任を一般的に負うか否かについては、これまでも長年議論されてきた。今回の訴訟でYahoo Hong Kongに焦点が当てられている理由は、原告のジャーナリスト2人がインターネット上で活動していた当時、Yahooが単独でYahoo Hong Kongを所有していたためだ。しかし、現在は中国企業のAlibabaがYahoo Hong Kongの株式の過半数を保有している。

 しかし、このような批判を浴びているのはYahooだけではない。最近、GoogleやMicrosoftといった米国のほかのインターネット企業も中国政府に協力的な方針を取っているとして批判を浴びている。

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