パッケージ版「Windows Vista」の売れ行きは低調--米調査 - (page 2)

文:Ina Fried(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2007年09月12日 14時47分

 Office製品の1月から6月までの小売販売台数は、「Office 2003」の発売後6カ月の数字と比べてほぼ2倍であり、2006年上半期のOfficeの売上高と比較しても59.6%上昇している(Office 2003の小売販売台数は、製品のライフサイクルが尽きるまで成長を続けた)。

 Officeの販売台数の大半は新製品である「Office 2007」によるものである一方、パッケージ版Officeの全売上高に占める「Office for Mac」の割合は20%をわずかに上回る程度にすぎないとSwenson氏は指摘する。また、同氏によるとMac版Officeの売り上げが急激に伸びた一因として多くのユーザーがMacに切り替えたこともあるという。

 「新しいPCを購入する場合は、古いWindowsソフトウェアを再利用することができる」とSwenson氏は語る。しかし、PCからMacに乗り換えてOfficeが必要になった場合は「新しいソフトウェアを購入しなければならない」(Swenson氏)

 NPDのデータは、Best Buy、CompUSA、TargetおよびAppleの小売店といった大手小売業者に関するNPDの月例ソフトウェア販売レポートを基にしている。また、Amazon.com、Buy.com、BestBuy.comといったオンライン販売業者のデータも含まれている。

 Vistaの販売台数が低調である理由としては、おそらく多くの要因があるとSwenson氏は言う。ハードウェアの要件が厳しいということは、Vistaの購入を希望するユーザーが新規PCの購入を決断するケースが増えることを意味する。特にWindows XPの発売当初と比べてコンピュータの価格が大幅に下落しているので一層その傾向が強まる。またSwenson氏は、MicrosoftはXPの場合と比較してあまり広告を打っていないとも指摘する。

 「問題は、Vistaには複雑な新機能が多く、それについて消費者を啓発する必要があることだ」とSwenson氏は言う。「Appleが『iPhone』の可能性について大衆を啓発したり、MacとPCを比較した広告の中でMac OSの1つの機能や利点を集中して宣伝したりしたように、Microsoftもテレビ、ラジオ、印刷広告を利用して、Vistaのさまざまな新機能について大衆を啓発するべきだ。しかし広告の量は、XPの場合と比較して見劣りする」(Swenson氏)

 パッケージ版Vistaの販売台数が下落しているといっても、それは今後上向きになる可能性を否定するものではないとSwenson氏は言い添える。XPの販売台数も2001年の発売から何年か後にピークを記録したと同氏は指摘する。

 「その理由に対する私の仮説は、XPの発売前には『Windows 2000』または『Windows Me』が動作しているPCを購入した多くのユーザーが存在し、アップグレードすることにしたときに、初回購入後しばらくしてからXPへのアップグレードを選択したというものだ」とSwenson氏は語る。「Vistaについても同様の傾向が見られる可能性がある」

 しかし、Vistaにアップグレードできるのは比較的新しいPCに限られるという事実や単体製品の販売台数が改善の兆しを見せていないことを考えると、「そのようなことが起こる可能性は非常に低いように思える」とSwenson氏は指摘する。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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