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AMD、4コアプロセッサ「Barcelona」を正式発表

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、小林理子2007年09月11日 21時14分
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 Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間9月10日夜、新しいプロセッサ「Barcelona」(開発コード名:製品名は「Quad-Core AMD Opteron」)のお披露目イベントをサンフランシスコで開催したが、多くの関係者の顔には明らかに安堵の色がうかがえた。

AMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruiz氏 Barcelonaを発表するAMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruiz氏
提供:Tom Krazit/CNET News.com

 AMDは、サンフランシスコのプレシディオ地区にある2つの建物全体を使ってこのイベントを開催し、同社初となる4コアのサーバプロセッサBarcelonaを正式に発表した。ゴールデンゲート海峡を大砲で守る必要があった時代、プレシディオ地区には陸軍基地が置かれていたが、AMDの幹部、従業員、それにパートナー企業にとっては、援護射撃を待ってひたすら耐えていた数カ月間の窮地を脱するときが来たようだ。

 その援護射撃となるのが、Barcelonaだ。映画製作会社Lucasfilmの施設内にあるLetterman Digital Arts Centerで壇上に立ったAMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruiz氏は「Barcelonaは、パフォーマンス、投資保護、仮想化、それにエネルギー効率という4つの重要な点で勝利を収めるように設計されている」と語った。

 このプロセッサは、現時点ではパフォーマンスに関してAMDが期待していたほどの大きな進歩は遂げていない。しかし、AMDはこのイベントで、Barcelonaの発表に先だって用意した資料には含めなかった、新たなパフォーマンスデータをいくらか公表した。

Barcelona発表用プレゼンテーションスライド Barcelona発表用プレゼンテーションスライド
提供:Tom Krazit/CNET News.com

 発表資料に含まれていないことが目についたのが、整数演算ベンチマークの「SPECint_rate2006」のスコアだ。これは、メールサーバやデータベースなどトランザクション処理の作業負荷について、プロセッサのパフォーマンスを判断するのに使用される重要な値だ。これが示されていないことから少し推測するだけでも、同社がこの分野でIntelのプロセッサにかなり水をあけられているだろうことは明白で、華々しい新プロセッサ発売にやや影を落としているようだった。

 だが、AMDは10日の夜、SPECint_rate2006のパフォーマンスを示す新しいデータを、「Microsoft Office PowerPoint」のスライドを使ってプレゼンテーションした。測定値はすべてコンパイラに関するものだった。コンパイラというのは、アプリケーションのコードを機械語に翻訳するもので、プロセッサが使用するソフトウェアだ。

 AMDは、フリーソフトウェア財団(FSF)が開発したGCCコンパイラの使用で、BarcelonaはIntelの4コアプロセッサ「XEON E5345」を9%上回ったと説明した。AMDでサーバ部門の責任者を務めるRandy Allen氏は、GCCを「最も広く利用されているコンパイラ」だと述べている。これに対して、Intel自身のコンパイラを使った場合は、PGIコンパイラ使用の場合との比較で、BarcelonaはSPECintのベンチマークにおいてXeonに5%の差をつけられていた。

 イベントに出席したアナリストの中には、GCCコンパイラが広く使われていて、ときにはIntelのコンパイラより優勢な場合もあると認める人も少数いた。だが、AMDは、ベンチマークの実際のスコアは公開せず、Intelに対する比較値だけを公開しているため、スライドで言及しているのが特定のどのテスト結果なのかははっきりしなかった。

 1つ今回有利な点があったのは、AMDが2003年に「Opteron」ファミリの最初のプロセッサを発売したときと比べて、同社を支援するパートナーが多く壇上に上がったことだ。話題が仮想化に移ったときには、VMwareのCEOを務めるDiane Greene氏がRuiz氏とAllen氏に加わり、Barcelonaの性能をアピールした。このことは、サンフランシスコで9月11日から13日まで開かれる仮想化のカンファレンス「VMworld 2007」における大きな話題になるはずだ。また、Sun MicrosystemsのCEOを務めるJonathan Schwartz氏もAMDとの協力関係を強調した。もっともSunは、2007年初めにIntelとの関係を修復しているのだが。さらに、Dell、Hewlett-Packard、IBMもこのイベントに人を送ってきていた。

 今のところ、Barcelonaはやや期待はずれな感が否めない。しかし、AMDは2.5GHz版の開発を2007年末出荷に向けて進めていることを明らかにしており、そうなればパフォーマンススコアも大きく躍進するだろう。3GHz版の実現にもっと近づいたとき、Barcelonaは本来の輝きを発揮するように思える。これによって、何としてもAMDに必要な利益がもたらされるかどうかは、まだ様子を見る必要がありそうだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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