Microsoftは米国時間9月6日、最新の「Extenders for Windows Media Center」を発表した。これは本当に究極のホームエクスペリエンスなのかという疑問が出ている。注目に値する驚くべき開発だと賞賛する声もあれば、それほどでもないという声もある。筆者個人としては、後者に同意する。
Microsoftのこの新製品をよく知らない人のために説明すると、ExtenderはPC上の動画やテレビ、音楽などのメディアをテレビで表示したり、テレビから別の部屋にあるテレビに表示したりする技術である。つまり、自分の寝室と居間で同じメディアを表示できることになる。理想としては、Media Center PCとLinksys、D-Linkなどのデバイスとが連携することだ。
こう書くと、すばらしい技術のように見えるかもしれない。この通りに自宅内でメディアを動かせるならさぞかしいいだろうと思うことだろう。だが、本当にこの技術が必要だろうか?私のように、こうしたことを実現すべき機器をすでに持っている場合も多いだろう。たしかに、Microsoftの製品ほど簡単にはできないかもしれない。だが、いますでにインフラがあるのであれば、新しいインフラに変える必要があるだろうか?言ってしまえば、Extenderは数年遅れの技術といことになる。
この技術を私が毛嫌いしていると思われてしまう前に、Extenderのよい面にも触れておこう。Extenderは、録画したテレビ番組との相性は抜群だ。次のような場面を考えてみてほしい。居間のテレビで録画番組を観ているときに、誰かが別の理由でそのテレビを使いたいとする。そのような場合は、番組を自分の寝室のテレビに転送して最後まで観ることができる。こう考えると、私にも魅力的にみえる。
この点を除けば、私にはExtenderの必要性が見出せない。別の部屋で音楽を聴きたいのなら、「Roku Soundbridge」などの製品を購入して、好きな部屋で音楽を再生できる。ニュースはどうするか?私の家ではほとんどの部屋にコンピュータを設置しているし、必要があればテレビを付け、「Wii」に切り替えてブラウジングできる。写真はどうするか? これを実現するソフトウェアはたくさんあり、ホームネットワークを利用して、どのPCでも写真を表示できる。テレビで表示したい場合は、テレビにデジタルカメラかSDカードを接続できるだろう。結局のところ、Extenderには(プレスリリースによると)「大画面テレビ」が必要となり、MicrosoftのHigh Definition(HD)へのフォーカスを考えると、これは大画面のHDTVということだろう。
Extenderは良い機能だと思うが、そのほかのソリューションがすでに数多く利用できるため、これがまだどうなるか分からない。この製品は確かに素晴らしいと思うし、実際に使用する前から製品を判断するのは時期尚早だが、現時点では、(Media Center PCと追加ハードウェアの)導入には高い壁があり、比較的安価な代替ソリューションが自由に利用できることから、Extenderは現実的な選択肢とは言えない。しかし、デバイスに触れてみたら筆者の意見も変わるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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