Hewlett-Packard(HP)は、Voodoo PCと共同開発した同社初のゲーム機でPCゲーム市場を虜にしようとしている。
HPの「Blackbird 002」はVoodoo PCとの最初の共同開発製品である。HPは1年前に、ゲーム愛好者向けPCを製造しているカナダの会社であったVoodoo PCを買収している。HPはこのパワフルなPCを、米国時間9月5日夕方にニューヨークで開催される特別なイベントで発表する予定だ。
Blackbirdはオールアルミニウム製かつ黒一色の筐体のゲームマシンであり、ユーザーの望み通りにカスタマイズできるようになっている。BIOSは完全にオープンであり、内部コンポーネントにはプロプライエタリなものが一切使用されていないため、ユーザーはPCサプライ店で売られている部品を購入し、交換できるようになっている。
マシンの形状も人目を引くものとなっている。筐体がアルミ製の脚部の上で浮いているように見える。この形状は格好の良いデザインであるが、実際に実用面も兼ね備えている。これは筐体の底面からも空気を排出するようになっており、愛好者向けPCの抱える最大の問題の1つである発熱問題に取り組むうえで役立っている。また、Blackbirdは完全な液体冷却システムを採用しており、PCの熱源それぞれを専用のサーマルチャンバー内に隔離することで温度上昇を防いでいる。
BlackbirdはHPにとって、他のハイエンドPCメーカー、特にDellと競合する市場に討って出るための大胆な一手である。Dellは人気のXPSラインを有しており、2006年前半にAlienwareを買収している。
ゲーム市場は近年著しい成長を遂げてきている。Jon Peddie Researchのゲーム業界シニアアナリストであるTed Pollak氏によると、世界的なPCゲーム関連ハードウェア市場の売り上げは2007年末までに年間100億ドルに達するという。
デザインが重視されるニッチなコンピュータ市場の業界ウォッチャーらは、Blackbirdを見ると、内側も外側も細部にまでこだわりが感じられると述べている。
Enderle Groupの主任アナリストであるRob Enderle氏は、「内側については、組み立てと仕上げの双方においてこのレベルにまで到達している製品はほとんどない。ポリッシュドメタルとソリッドアルミニウムは高級乗用車に見られる典型的な特徴だ。最も高価なゲームPCの上をいっている」と述べ、「このアプローチは、レクサスやベンツの品質レベルと完成度に達している」と付け加えた。
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