この自動車のたとえは非常に的確だ。Blackbirdのアルミニウム筐体の外側は、コンシューマーエレクトロニクス製品やコンピュータではなく、自動車のドアを主に製造している中国企業によって作られたものである。
また、HPのゲーム部門のクリエイティブディレクターであるMark Solomon氏によると、Blackbirdは、新たに拡張されたVoodooのカルガリー製造施設において、同施設のエンジニアの手によって1台ずつ組み立てられているという。とはいえ、ユーザーはメカニックでなくても、ツールボックスに入っている工具をうまく使うことさえできなくても、部品交換や、独自のアップグレードができるようになっている。Blackbirdの設計では、CPUやGPU、ハードディスク、光学ドライブなどのコンポーネントがいずれも交換できるよう考慮されているのだ。
HPは、Blackbirdのこういった特徴によって、カスタマイズ可能な高性能PCに大金を投じるクリエイティブでゲーム好きなタイプの顧客を惹きつけられると考えている。価格はその構成に応じて2500ドルから6500ドルとなっており、これは他の高性能PCの価格範囲内に収まっている。
Pollak氏は「価格は、高性能システムのローエンドとしてはかなり挑戦的だ」と述べ、「驚くほど手頃な価格になっている」と付け加えた。
これはとにかく、市場におけるある種のセグメント向けの製品だ。しかし、ゲーム用のマシンに1万ドル以上の大金を投資することは、PC市場全体からすると比較的小規模なこのセグメントにおいては珍しいことではない。なお、このセグメントでは、利幅が他のセグメントよりも大きくなっている。そのため、HPはパフォーマンスとスタイルに多くのリソースをつぎ込んでいる。デザインと製造の工程は、HPの平均的なノートPCやデスクトップPCに比べてかなりコストがかかっている。
Voodooの共同設立者であり、HPのゲーム部門の最高技術責任者(CTO)であるRahul Sood氏は、「デザインチームが最初にこれを提示した際、HPは心臓発作を起こしかけた」と述べている。
BlackbirdはHPとVoodooの共同チームによって約1年かけて開発された。出来上がった製品は、外側にHPのロゴがあるものの、内側にはHPが呼ぶところの「Voodoo DNA」が詰まっている。つまり、市場のVoodooモデルほどハイエンドではないものの、機能やスタイルではHPのコンシューマー向けもしくは企業向けのデスクトップPCよりも勝ったゲーム用PCが出来上がったというわけだ。
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