ハードディスクメーカーSeagate Technologyは米国時間4月17日、予想を下回る売上高と利益の四半期決算を発表した。だが、同社の最高経営責任者(CEO)は、だからといって2007年のPC業界の見通しが芳しくないわけではない、としている。
Seagateは、3月締めの第3四半期に28億ドルの売上高を計上した。一方、純利益は2億1200万ドル、1株当たり利益は37セントだった。Maxtorの買収関連費用を除くと、純利益は2億7400万ドル、1株当たり利益は47セントになる。
SeagateのCEO、Bill Watkins氏はインタビューのなかで、同社の予想では売上高が約29億〜30億ドル、利益も多くなる見通しだったことを明かした。
同氏は、「利益はかなり落ち込んだ。3月に入って需要が低迷し、予想したほどの結果が出なかった。ただし、短期的な変動だというのがわれわれの感触だ」と語っている。
しかし、今のところ同四半期はIT業界の多くの企業にとって厳しいものとなっている。Advanced Micro Devices(AMD)は、終了したばかりの同四半期の売上高と利益が価格の低下と出荷台数の減少から予想を下回る、と4月に入って述べていた。AMDは今週中に決算を発表する。Yahooも17日、決算の予想達成に失敗しており、サムスン電子も15%の利益減と、価格圧力が年末まで続くとの予想を明らかにしている。
一方、Intelの直近の決算も、税関連の科目を除いた場合の売上高と利益が若干減少している。ただし、決算結果は予想の範囲内に収まっている。
前代未聞の市場拡大を数年間経験してきたスラッシュメモリメーカー各社も、売り上げの低迷と競争の激化により、2006年8月から経済的苦境に立たされつつある。
Seagateの落ち込みは、デスクトップ用3.5インチドライブの出荷台数と価格の低下が要因となっている。3月にPCの売り上げが低迷すると、ディスクドライブメーカー各社は価格を引き下げた。価下げ幅は市場のトップエンドが特に大きかった。Seagateはハイエンド市場の43%のシェアを持つが、なかには半額近くになるケースもあった。
デスクトップの減速はAMDとIntelの価格戦争が原因だったと、Watkins氏は説明する。同氏は、「IntelとAMDが値下げしてきたことを受け、PCの購入が4月に先延ばしされた感じがする」と語っている。
ノートPC用ドライブの出荷数は増加しているが、価格の引き下げがその増加分を相殺してしまった。ただ、ソニーの「PLAYSTATION 3」にハードディスクを供給したこともあり、Seagateはコンシューマー市場でもビジネスを拡大した。
Seagateでは、チャネルの在庫をだぶつかせるのではなく、今のうちに苦しむ方を選択したと、同氏は語っている。
ビジネスは2007年後半に上向く見通しだが、それも完全に明確ではないと、Watkins氏は語る。PC業界にとって6月は変動が大きい場合が多く、消費者らは米国経済の先行きを不安視しているが、欧州の方は上向きのようだ。また、競合各社が低価格ハードディスクを市場に大量投入するのかどうかも明確でない。Watkins氏は、Hitachi Global Storage Technologiesがここ数四半期の間損失を出しながらもマーケットシェア拡大計画を明らかにしていることを指摘した。
Seagateは、2006年同期に23億ドルの売上高と2億7400万ドルの純利益を計上している。
第3四半期の結果を受けて、Seagateは、次の会計年度における売上高を113億〜114億ドル、1株当たりの利益を92〜96セントになることを予想している。同社は前四半期において、同年度の売上高を115億〜117億ドル、1株当たりの利益を1.27〜1.32ドルと予想していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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