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すべての基本は期待に応えようとする誠実さ—“携帯放送連携”仕かけ人の素顔(第1回:大森洋三) - (page 2)

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モバイルとの出会いと決断

--なるほど、貴重というか大変というか、海外でさまざまな経験を積まれたのですね。それにしても、ここまでのお話の中ではITとの接点が全くなかったように思えますが。

 そう思いますよね(笑)ITに興味を持ち始めたのはブラジルにいた頃です。

 その頃は、カプラーでのパソコン通信の時代で、ブラジル全土から1分60円でコンピュサーブに入ることができました。日本のプロ野球の試合結果が、海の向こうにいながら日本にいて朝新聞で知る人よりも早く入手できたのは衝撃でしたね。日本の情報がリアルタイムで取得できることに着目したのを今でも覚えています。

--ITへの可能性に賭けてヤマハを辞めたということですか?

大森氏 ITの世界に飛び込んだきっかけ、放送とモバイル分野に注目した経緯について話す大森氏

 いやいや、そういうわけではないんですよ。いつの頃からか、「大きな会社の歯車ではなく、自己判断でダイナミックな事業展開をしたい」と強く思うようになったんです。時は、衛星放送が話題になりはじめの頃でしたから、衛星放送のコンテンツ配信の話が来た時に、やってみようかと。

 実は、次の会社でやったことは営業ではなくて、資本政策でした。最初は、「株って?」という感じでしたけどね。その次の会社では、衛星放送事業の申請に関する代筆業を主軸にしました。放送の分野に飛び込んだと言えばかっこ良いかもしれませんが、実際は軸となるビジネスプランがあったわけではありませんでした。ただ、放送に携わることで、コンテンツを強く意識するようになりましたね。

 ウェザーニューズには、それまでの「コンテンツに対する興味」と優れた経営者のそばで3年間修行をするという意思で転職しました。

 ウェザーニューズは当時、石橋博良さんが社長で、広報部長と営業部長を兼任しながら、その横でさまざまな経営上の意思決定を下す場所に参加しつつ、経営の本質について学ばせてもらいました。ウェザーニューズのコンテンツをほぼすべての放送局やWEBポータルサイトに提供するまでになり、その次を考えた先に「モバイル」がありました。

 人々が移動中、「今欲しい情報」の一つに天気が挙げられますよね。だからこそ、モバイルと気象情報の親和性を感じましたし、すぐに取り組みを始めました。

--モバイルでのビジネスがこれからという状況で、サイバードに移ったのにはどのような心の変化があったのでしょうか?

 ウェザーニューズの時に、サイバードと一緒に「波伝説」の仕事をしました。天気とスポーツは深く関係し合っています。コンテンツ中心となるウェザーニューズに対して、サイバードはモバイルメディア中心の事業。一緒に仕事をする中で、モバイルのメディアで勝負をしたいと思うようになりました。

 モバイルとコンテンツ、そして放送を熟知している人間は貴重な存在ですから、そこに自分のアドバンテージを見い出したんですね。サイバードでは、経営者視点での事業展開を心掛け、メディア事業に注力しました。

--当時、「サイバードVSインデックス」はモバイル業界で注目の的でしたよね。その一方でなぜ、サイバード最強の営業マンがインデックスへ?

 放送業界のモバイルコンテンツビジネス営業において、最初の1社、2社のコンペで負ける程度なら、インデックスもたまにはこういうこともあるだろうと思っていたでしょう。しかし、それが偶然ではないと感じるくらいの頻度となれば「何が起きているのか?」ということになりますよね。

 反対に、僕もコンペ先であるインデックスに興味を持ちました。何故なら、僕たちが新規のメディアに対して営業している頃に、インデックスの落合(正美)さんは既に放送業界での顔も広く、信頼関係も勝ち得ていました。

 そんなインデックス側と僕との双方で興味があったこともあり、「これは一度合って話をしてみたい」という思いから、人づてで落合さんに15分間だけ会う機会を頂きました。

 それから落合さんとの付き合いが始まって、結局は「人柄に惚れた」といえるのでしょう。結果、インデックス社に移る決断をしたというわけです。

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